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責任能力について(1)

今回から責任能力について書いてみます。



刑法は、「心神喪失者の行為は、罰しない。」(39条1項)、「心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。」(同条2項)と規定しています。



そして、判例によると、心神喪失とは、精神の障害により事物の理非善悪を弁別する能力たはその弁別に従って行動する能力のない状態をいい、心神耗弱とは、その程度には達しないが、その能力が著しく減退した状態をいうとされています。



分かりやすく言えば、心神喪失は、自分が悪いことをしていると全く分からないか、分かっていても止められない状態であり、この状態で罪を犯しても処罰されません。これに対し、心神耗弱は、著しく能力が減退している状態です(この判断は微妙です。)。心神耗弱の場合は、必ず刑が軽くなります(必要的減軽)。



通常、責任能力が問題となるケースでは精神鑑定が行われ、鑑定書には鑑定医の意見が記されていますが、心神喪失等にあたるかの法律判断は裁判所に委ねられていますから、鑑定医の意見に拘束されるわけではありません。重大な事案であれば、何度か精神鑑定が行われることも稀ではなく、裁判所は期待する鑑定医の意見が出てくるのを待っている感じさえします。



また、刑事訴訟法で、裁判所は「法律上犯罪の成立を妨げる理由又は刑の加重減免の理由となる事実が主張されたときは、これに対する判断を示さなければならない。」(335条2項)と規定されています。つまり、裁判所は、判決の中で、これらに対する判断を示すことが義務になっていますから、弁護人としては、きちんと心神喪失等の主張をしなければなりません。したがって、冒頭手続で、裁判所から弁護人の意見を求められた際、「法335条2項の主張として、心神喪失の主張をします。」と述べるべきです。この点、情状となる事実とは厳に区別される必要があります。

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平成25年5月、アメーバ・ブログから引っ越してきました。役に立つことも、役に立たないこともマイペースで書いています。日記のような感じでしょうか。

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