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「原因において自由な行為」について(2)

それでは、続きを書かせてもらいます。


前の事例で、飲酒行為をもって暴行の実行の着手があると考えることはできないでしょうか(飲酒行為を原因設定行為と言います。)。


この点、第三者を自己の道具として利用し、犯罪を実行する場合を間接正犯と言うのですが、責任能力のない自分を道具として利用することが可能ですから、原因設定行為をもって実行行為と考えることが可能な場合があると言えます。


ただ、間接正犯の場合には、利用者の利用行為が、第三者である被利用者の行動を完全に支配するものであることが要求(道具性)されるのと同様に、原因設定行為が、責任無能力状態の自己の行為を完全に支配できるものであることが必要であると解されます。


そうすると、責任無能力状態における行為が、ある程度複雑な動作を必要とされる通常の作為犯の場合には、責任能力がある状態のときに、あらかじめこれを支配するような布石をすることは困難であり、したがって、原因設定行為をもって実行行為と考えることはできないのです。


ところで、事例の暴行の場合は、それほど複雑な行動が必要とされないと思われますから、飲酒行為をもって実行行為と考えても差し支えないと考えます。結局、殴ったときは泥酔状態で責任能力がなかったから、犯罪は成立しないと言えないことになります。


以上を前提にして、クレーン車の事故に、原因において自由な行為の理論があてはまるのか考えて下さい。少なくとも、結果の発生を認識認容していたとは言えないような気がします。


少なくとも、薬をきちんと服用しなければ運転中に気を失うなどの症状が生じるため、自動車の運転を差し控える注意義務があったのに、これを怠って自動車を運転した過失はあったと言えるでしょう。


それから、運転免許を取得する際、持病があることを申告していない点をとらえ、無免許と考えることはできないでしょうか。そうすると、自動車運転過失致死と道路交通法違反(無免許運転)は併合罪(刑法45条前段)となり、刑を重くすることが可能です。

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平成25年5月、アメーバ・ブログから引っ越してきました。役に立つことも、役に立たないこともマイペースで書いています。日記のような感じでしょうか。

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