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「採点実感等に関する意見」から抜粋(4)

平成27年から、「採点実感等に関する意見」は公法系科目、民事系科目等によって細分化されてホームページにアップロードされ、アクセスしやすくなりました。法務省も気を遣ってくれているようです。考査委員をして、「日本語の論述能力が劣っている答案が相当数見られ、近年では最低の水準」とまで言わしめた答案を書いた受験生は、恐らく判読できない字で書いていると思われます。試験に合格する可能性はほぼ皆無であるといえるでしょう。



【平成27年公法系科目第1問から抜粋】
・ 設問1⑵におけるA市の反論について,「区別・取扱いには合理的理由がある」とか「裁量の逸脱・濫用はない」という,いわば結論部分だけを記載し,その理由を明示できていない答案が相当数あった。しかし,いかに「ポイントを簡潔に述べ」るとしても,反論である以上,A市としてその結論につながる積極的・直接的・根本的な理由を簡潔かつ端的に明示する必要がある。
(中略)
⑴ 論述のバランス
・ 本年は,各問の配点を明記することで答案における記述量の配分の目安を示し,それに応じたバランスのよい記載で,かつ,最後までしっかりと書くことを求めたところである。しかし,例年のように,途中答案が相当数あったほか,一応最後まで書いている答案も,設問2について配点に相応しい分量になっていないものが多かった。また,設問1⑴について簡単な記述で済ませている答案や,逆に,設問1⑵について長々と論じている答案(そのような答案は,設問2の論述が非常に薄いものとなる傾向があった。)も見られた。
⑵ 問題文の読解及び答案の作成一般
・ B,C,Dらがそれぞれどのような立場の人間であるのかについて事実関係を混同・混乱している答案があった。また,その誤記等(BをXと記載したり,文章内容からはCを指していると思われる者をDと記載したりする例)も散見された。単なる書き間違いかもしれないが,判断の前提となる事実関係を的確に把握できていないのではないかと疑われかねないので,問題文に即して正確に論述してほしい。
(中略)
形式面
・ 普段手書きで文書を作成する機会が少ないためであろうか,誤字や脱字がかなり目に付いた。特に法律用語の誤記については,法律家としての資質自体が疑われかねないので注意してほしい。また,略字を使用する答案もあったが,他人に読ませる文章である以上,略字の使用は避けるべきである。
・ 解読が困難な字で書かれた答案も散見された。例えば,字が雑に書かれたり,小さかったりして読みづらいもの,加除や挿入がどのようになされているのか判読し難いものなどである。時間がなくて焦って書いているのは分からないではないが,他人に読ませる文章である以上,読み手のことを考えて,上手な字でなくても読みやすい,大きな字で,また,加除や挿入は明確に分かるような形での答案作成を望む。

【同科目第2問から抜粋】
(1) 全体的印象
・ 例年繰り返し指摘し,また強く改善を求め続けているところであるが,相変わらず判読困難な答案が多数あった。極端に小さい字,極端な癖字,雑に書き殴った字で書かれた答案が少なくなく,中には「適法」か「違法」か判読できないものすらあった。第三者が読むものである以上,読み手を意識した答案作成を心掛けることは当然であり,判読できない記載には意味がないことを肝に銘ずべきである。
・ 問題文及び会議録には,どのような視点で何を書くべきかが具体的に掲げられているにもかかわらず,問題文等の指示を無視するかのような答案が多く見られた。
・ 例年指摘しているが,条文の引用が不正確な答案が多く見られた。
・ 冗長で文意が分かりにくいものなど,法律論の組立てという以前に,一般的な文章構成能力自体に疑問を抱かざるを得ない答案が相当数あった。
・ 相当程度読み進まないと何をテーマに論じているのか把握できない答案が相当数見られた。答案構成をきちんと行った上,読み手に分かりやすい答案とするためには,例えば,適度に段落分けを行った上で,段落の行頭は1文字空けるなどの基本的な論文の書き方に従うことや,冒頭部分に見出しを付けるなどの工夫をすることが望まれる。
・ 少数ではあるが,どの設問に対する解答かが明示されていない答案が見られた。冒頭部分に「設問1」等と明示をした上で解答することを徹底されたい。
(中略)
・ 法律的な文章という以前に,日本語の論述能力が劣っている答案が相当数見られ,近年では最低の水準であるとの意見もあった。法律実務家である裁判官,検察官,弁護士のいずれも文章を書くことを基本とする仕事である。受験対策のための授業になってはならないとはいえ,法科大学院においても,論述能力を指導する必要があるのではないか。

【同年刑事系科目第2問から抜粋】
 また,問題文の読み間違いに起因するものと思われる誤った事実関係を前提に論述している答案が少なからず見受けられた。その背景には,とにかく知っている論点を探してそれに飛びつくというような答案作成姿勢が影響を及ぼしているのではないかが懸念された。
 なお,本年も,複数の考査委員から,容易に判読できない文字で記載された答案が相当数あったとの指摘があったことを付言する。
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