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「採点実感等に関する意見」から抜粋(3)

それでは、平成26年の「採点実感等に関する意見」(以下、「採点実感」という。)からの抜粋です。これまでと同様、赤字は私がポイントと思うところです。

【平成26年公法系科目第1問から抜粋】
・ 本年の問題では,C社は「条例自体が・・・違憲であると主張して」訴訟を提起しており,内容的にも,適用違憲(処分違憲)を論じるべき事案ではないにもかかわらず,適用違憲(処分違憲)を論じている答案は,当該記載について積極的評価ができないのみならず,解答の前提を誤るなどしているという点においても厳しい評価となった。
・ 同様の観点であるが,本年の問題では,「法人の人権・・・については,論じなくてよい」,「道路運送法と本条例の関係については,論じなくてよい」と記載されており,それにもかかわらずこれらを論じている答案は,厳しい評価となった。
(中略)
・ 設問2について,【ある観点からの反論→それに対する受験者自身の見解→別の観点からの反論→それに対する受験者自身の見解→更に別の観点からの反論→それに対する受験者自身の見解・・・】という構成の答案が多かった。その結果,手厚く論じてもらいたい受験者自身の見解の論述が分断されてしまい,受験者自身が,この問題について,全体として,どのように理解し,どのような見解を持っているのかが非常に分かりづらかった。さらに,極端に言えば,「原告の△△という主張に対し,被告は××と反論する。しかし,私は,原告の△△という主張が正しいと考える」という程度の記載にとどまるものもあった。
・ 受験者自身の見解について厚く論述している答案は多くなかった。一方当事者の立場として原告の主張を記載するのに時間を費やすだけで,必ずしも多角的な視点からの検討にまで至っていないことは残念であった。

【同科目第2問から抜粋】
・ 相当程度読み進まないと何をテーマに論じているのか把握できない答案が相当数見られた。問題意識を読み手に的確に伝えるために,例えば,冒頭部分にこれから論じるテーマを提示するなどの工夫が望ましい。

【同年民事系科目第1問から抜粋】
 また,文章力に問題があるために,論述の内容について複数の読み方が可能であり,どちらの趣旨であるかが容易に判別することができない答案も存在した。当然のことながら,採点者は,答案の記載内容だけから評価をするのであり,趣旨が判然としない答案はそれを前提とした評価をせざるを得ず,善解することはできないのであるから,複数の解釈が可能となるような曖昧な表現は避けるよう留意すべきである。
 なお,答案の書き方における注意事項として,附番の用い方の問題がある。設問(3)では①・②・③……という数字を用いているのであるから,これと別に,所有権に基づく返還請求権の行使の要件は「①原告所有,②被告占有である」などという記述をすることは好ましくない。設問の中で用いられている①や②との区別がつかなくなる恐れがあり,論述の内容が不明瞭なものとなりかねないので,この点は特に注意を要する。

【同科目第2問から抜粋】
(5) 以上のような採点実感に照らすと,「優秀」,「良好」,「一応の水準」,「不良」の四つの水準の答案は,次のようなものと考えられる。第一に,「優秀」な答案は,主要な論点をほぼ論ずることができていて(主要な論点の一つや二つが欠けている程度は,差し支えない。),各問題につき,事実の当てはめを適切にした上で,相当な理由付けをして自らの考えを述べ,その考えに基づき論理的に整合性を持った法的議論を展開することのできている答案である。

【同科目第3問から抜粋】
 およそ何も書けていない答案は少なかったが,考えがまとまらないまま書き始めているのではないかと思われる答案も散見された。検討の必要があると考える論点を端的に摘示して問題提起をするのではなく,問題文にある設問自体を相当行にわたって書き写している答案,相互の関係性を明らかにしないで複数の論点を羅列する答案,設問に対する結論を示すに当たって,法的三段論法の過程を経ているとは評価できない答案がその例である。問題文をよく読み,必要な解答を頭の中で入念に構成した上で,答案を書き始めるべきであろう。
(中略)
5 その他
 毎年繰り返しているところではあるが,極端に小さな字(各行の幅の半分にも満たないサイズの字では小さすぎる。),文字色が薄い字,潰れた字や書き殴った字の答案が相変わらず少なくない。司法試験はもとより字の巧拙を問うものではないが,心当たりのある受験者は,相応の心掛けをしてほしい。また,「けだし」,「思うに」など,一般に使われていない用語を用いる答案も散見されたところであり,改めて改善を求めたい。

【同年選択科目国際関係法(私法系)から抜粋】
 なお,学説の分かれている論点については,結論それ自体によって得点に差を設けることはせず,自説の論拠を十分に示しつつ,これを論理的に展開することができているか否かを基準にして成績評価をした。
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