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「採点実感等に関する意見」から抜粋(2)

平成25年以降の「採点実感等に関する意見」(いつものとおり、「採点実感」といいます。)から、気になる部分の抜粋です。

【平成25年公法系科目第1問から抜粋】
(1) 問題の読み取りの不十分さ
 問題文をきちんと読めていない答案が,散見された。例えば,設問自体に「条文の漠然性及び過度の広汎性の問題は論じなくてよい。」と記載されているにもかかわらず,「平穏な生活環境を害する行為,商業活動に支障を来す行為という規定は,抽象的で広すぎるから違憲である」などと述べる答案,あるいは,拡声器の不使用・ビラの不配布・ゴミの不投棄というA側の自主規律を,B県公安委員会の付した条件と誤読した答案などが見られた。問題文の内容を正確に読み取ることは,まずもって,解答者にとって必須の能力というべきであろう。
(中略)
 また,原告側の主張を十分に論じていないものや原告の主張内容が極端な答案,真に対立軸となるような反論のポイントを示していない答案,原告側の主張と反論という双方の議論を受けて「あなた自身の見解」を十分に展開していない答案が少なくなく,これまでの採点実感をきちんと読んでいないのではないかと思われた。ただし,「あなた自身の見解」において,原告あるいは被告と「同じ意見」といった記述は,なくなってはいないが,従前に比べると少なくなったこと,そしてB県側の「反論」について,従前に比べてポイントのみを簡潔に論じる答案が多くなってきていることは,喜ばしいことである。
 なお,取り分け原告側の主張において「正当化」という見出しを付けて記述することは,適切ではない。原告側が行うのは,「違憲の主張」である。
(7) 答案の書き方等
 毎年のように採点実感で指摘しているためか,判断枠組みを前提として事案を検討する際に,「当てはめ」という言葉を使用する答案は少なくなっている。他方で,「当てはめ」という言葉を使って機械的な「当てはめ」を行う答案の問題性が,際立つ。また,これも度々指摘しているが,行頭・行末を不必要に空けて書く答案は,少なくなってきてはいるが,いまだに存在する。字が読みにくい答案ばかりでなく,漢字の間違いが多く見られたのは,残念なことである。緊張し,しかも時間に追われるので,字が乱雑になってしまいがちであることは十分に理解できるが,やはり丁寧な字で書くことは基本的なマナーである。受験者は,平素から,答案は読まれるために書くもの,という意識を持ってほしい。

【同科目第2問から抜粋】
(1) 全体的印象
・ 雑に書き殴った字,極端に小さい字,極端な癖字など,判読困難な答案が相変わらず多く,中には「適法」と書いたのか「違法」と書いたのかすら分からないものもあった。例年繰り返し指摘しているところであるが,受験者が答案作成をするに当たっては,もとより読み手を意識しなければならないのであり,この点,強く改善を求めたい。
・ 誤字が多いもの,必要以上にひらがな・カタカナを多用しているもの,主語と述語が呼応していないもの,表現が極端な口語調であるなど稚拙なもの,冗長で言いたいことが分かりづらいものなど,文書作成能力自体に疑問を抱かざるを得ない答案が相当数見られた。
・ 関係法令の規定に言及する場面で,単純な文理解釈を誤っている答案や,条文の引用が不正確な答案(項・号の記載に誤りがあるなど)が少なくなかった。また,関係しそうな条文を,よく考えずに単に羅列しただけの答案も散見された。このような答案は,条文解釈の姿勢を疑わせることになる。
・ 関係法令の規定を正確に読まないまま解答し,本来適用されるべき規範と全く関係のない議論をしている答案が散見された。法律実務家を目指す以上,適用される条文を正確に踏まえた議論をすることが必要である。
・ 問題文で丁寧に解答すべき課題を提示しているにもかかわらず,前提を誤解したり,設問の指示に従わない答案がかなり多く見られた。当然のことであるが,まずもって,設問をよく読み,正しく理解した上で答案を作成することが求められる。
 
【同年民事系科目第1問から抜粋】
 また,昨年試験の採点実感で指摘したような不自然な文章表現が依然として散見され,また,潰れてしまっていて判読ができない字で書かれている答案も見られる。
 外見的な印象を良くすることを過剰に気にかけるのではなく,判読可能な字で,平易な表現を用い,そして,何よりも,しっかり内容を備えた答案を作成した受験者を法律家の世界に迎え入れる,という趣旨で司法試験の採点がされている,ということをあらためて想起し,受験者においては,基礎的な知識や基本的な思考力の涵養に努めて欲しい。

【同科目第2問から抜粋】
2 採点方針
 答案の採点に当たって,上記①から③までの観点を重視していることも,従来と変わりがない。上記②と関連するが,問われていることに正面から答えていなければ,点数を付与していない。問われていることに正面から答えるためには,論点ごとにあらかじめ丸暗記した画一的な表現をそのまま答案用紙に書き出すのではなく,設問の検討の結果をきちんと順序立てて自分の言葉で表現する姿勢が大切であり,採点に当たっては,受験者がそのような意識を持っているかどうかにも留意している。
(中略)
5 その他
 時間不足と思われる答案は少なく,答案の分量としては5枚程度でも必要かつ十分な論述ができていた。考えながら書くのではなく,書き始める前に,答案構成に十分な時間をとることが大切であろう。また,毎年繰り返しているところではあるが,極端に小さな字(各行の幅の半分にも満たないサイズの字では小さすぎる。)や薄い字,潰れた字や書き殴った字の答案が相変わらず少なくなく,心当たりのある受験者は,相応の心掛けをしてほしい。

【同年刑事系科目第3問から抜粋】
 なお,昨年,容易に判読できない文字で記載された答案があり,採点に困難を来したことを指摘したが,残念ながら,本年においても,複数の考査委員から,ほとんど改善が見られないとの指摘があったことを付言する。
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