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公法系第1問(憲法)の解き方について(2)

設問に対して、「素直に、かつ簡潔に答える。」という意味で、私が引き合いに出すのが昭和61年に実施された司法試験憲法の第1問です。

【基本的人権の保障の限界に関しては、憲法第12条、第13条などにいう「公共の福祉」との関係において説が分かれているが、その相違を論拠とともに説明し、それと関連づけながら、海外旅行の自由の制約について、集会の自由の場合と比較して、説明せよ。】

この問題が出題された昭和61年当時は、いかにして司法試験の合格者の年齢を下げ、若い人(つまり、優秀な人?)の合格者数を増やすかが急務とされていました。その方策として、司法試験の受験回数に制限を設けるとか、若い人のために優先枠を設けるといった議論があったと記憶しています。私は、司法試験に若くして合格した人が優秀であることは認めますが、人間的にまともであるとは限りませんから、いろんな人を相手にする法曹には歳は関係ないと思っていました。少なくとも自分が受験生の間は、現状の試験であってほしいと願っていました。択一式試験が75問から60問に減って、連結問題、虫食い問題といった一癖ある問題が登場し、択一式試験を突破した人には、上記の憲法の問題が待ちかまえていたのです。

私は、この年に合格した人がいわゆる対比型問題に関する解き方を講演すると耳にし、その講演に顔を出しました。その講演で聴き取った内容は清書し、ルーズリーフ形式の憲法のノートの冒頭に挟んで、何度も見直しましたが、残念ながらそのノートが見当たりませんでした。ただ、設問に対して、素直に、かつ簡潔に答え、最後は「論筋を通す」ということを強調されていました。

どんなに訳が分からない問題が出題されようと、一定の合格者は出るのです。今年の受験生は例年に比べると出来が悪いようであるから、今年は合格者はなしにすると言われたら、天と地がひっくり返るような大騒ぎになるでしょうが、そんなことは起きません。受験生の数が減っていても、司法試験の合格者数が1000人を切る時代はすぐにはやってこないと思います。考え方を変えれば、やたらに難しい問題が出題された方が、皆の出来が悪くて差が付かないので、出来が悪い受験生にとっては好機到来かもしれません。論文式試験の採点対象となった中で、上位5分の1程度に入る答案を目指そうと思えば、何とかなりそうが気がするはずです。

ところで、昭和61年の憲法第2問は次のようなものでした。
【裁判所の自律性について、議院の自律性と対比して論ぜよ。】

本試験の影響もあってか、受験予備校が答案練習会でやたらに対比型の問題を出題し、「本当に対比できるのかな?」と思った時期でした。
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平成25年5月、アメーバ・ブログから引っ越してきました。役に立つことも、役に立たないこともマイペースで書いています。日記のような感じでしょうか。

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