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講義(最終回)の概要について

平成27年7月23日の午前中、法科大学院で行った刑事弁護実務の概要です。

まず、残念なことですが、学生1名が体調を崩したそうで欠席していました。「防衛大」(さん)という呼称は、今のご時世でどうかなと思い、刑事訴訟法の基本原理である伝聞法則を理解してもらうため、「知覚、記憶、表現、叙述」(さん)に変更していた学生です。早く元気になってほしいものです。

講義は、私が若手の弁護士に集まってもらって話をした際のレジュメを使って始めました。事前に目を通しておいてくれたら、足りるものでした。次は、弁護活動と弁護士としての倫理が関わるいくつかの事例について、学生に指名して答えてもらいました。なお、前回まで「理由なき不選任」(さん)と呼称していた学生については、「キーワードを的確に」(さん)と変更しましたから、少しは気が晴れてくれたはずです。ところで、最も意見が分かれたのは(私がそう考えているだけかもしれません。)、弁護人が、接見等禁止決定がなされている被疑者・被告人と接見する際、親族が作成した親書(子どもの写真でも構いません。)をそのまま示していいかという問題でした。私は、弁護人に罪証隠滅のおそれがない書類であると判断する権限はないので、親族が作成した親書は、接見等禁止の一部解除をしてもらった上で(職権発動を促す。)、これを示すか、差し入れるのが適切な方法であると考えます。それが面倒であれば、親族が作成した親書は要約して、被疑者、被告人に伝えるべきです。

そして、「職権発動」という言葉から、勾留中求令状を発想し、具体的には非現住建造物等放火(刑法109条1項)で逮捕勾留した被疑者を現住建造物等放火未遂(112条、108条)で起訴する場合を挙げられるようになってくれたでしょうか。

さらに、弁護人が、被害弁償するためになお相当の日数を要することから、検察官に勾留期間延長の請求をするよう上申する書面を紹介しました。弁護人は、被疑者が身柄拘束から早期に解放されるよう活動すべきであるため、一見すると、この上申書は弁護人の職務と反するようにも思えますが、重要なのは最終的に被疑者にとって有利な結論を導けるかどうかですから、例外的にはこのような上申も認められるはずです。

また、保釈請求書と身元引受書のひな形を検討しました。保釈が許可されて当然の事案で、きちんとした書面を起案し、確実に保釈が許可されるようにする手法を示しました。

そして、講義の終了時間間際になって、参観してくれた若手の人に一言お願いしました。この時代に精神論は合わないと思われるかもしれません。しかし、血の池地獄から蜘蛛の糸をつたって這い上がっていく姿を連想して頂きたいのです。下手をすると、自分が掴まっている、ほんの数センチ上で蜘蛛の糸が切れ、また血の池地獄に堕ちていくかもしれません。あるいは、自分の足のところから蜘蛛の糸が切れ、自分は血の池地獄から這い上がることができたものの、顔見知りの友が堕ちていくかもしれません。もっとも、必ず、何事もなかったかのように違う世界に行ってしまう人がいるのも事実です。凡人にとって最後は精神論が重要であり、少しおかしくなっているくらいでないといけないと思います。そのため、若手の人が受験生時代に読んでいたメモ(精神論)、論述パターンを身に付けるために作成したノートや単語カードを回覧しましたが、学生の刺激になったはずです。当然のことですが、わざわざ聴講して下さった研究科長の先生にも一言お願いしました。

私が担当する5回の講義で、学生の頭に司法試験に合格するためのエキスを注入してやったつもりです。しかし、私は、毎回の講義に向けて相当のプレッシャーを感じました。目標を一つ達成した気分ですね。
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平成25年5月、アメーバ・ブログから引っ越してきました。役に立つことも、役に立たないこともマイペースで書いています。日記のような感じでしょうか。

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