Entries

2013年刑事系第1問について

今回、法科大学院の学生に答案を書かせたのが2013年刑事系第1問でした。

問題を読んでもさっぱり理解できませんでした。「早すぎた構成要件の実現」という論点があるのですね。平成16年に最高裁の判例が出ているようですが、そのような判例があることさえ知りませんでした。仮に、その当時まで受験生であったならば、当然理解しておくべき判例ですから、それなりの論述ができたはずです。完全に過去の人になりました。

もう一つの論点は建造物等以外放火(刑法110条1項)に関するものでした。平成15年に最高裁の決定で同項の「公共の危険」に関する解釈が示されているようです。私は、この決定も知りませんでした。上記の判例もそうですが、模範六法の参考判例に記載されていますから、受験生であれば知っておくべき事項といえるでしょう。

そこで、刑法110条1項の条文がどうなっているかですが、「放火して、前2条に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者」と規定されています。私は実務家になって、建造物等以外放火の事案を扱ったことがなかったので、公訴事実の記載例も確認しました。

【被告人は、日ごろのうっせきした気持を晴らすため、平成27年×月×日、岡山市北区内に所在の「コーポ××」南側において、その外壁沿いに、段ボール箱と接して置かれていた甲所有のプラスチック製籠の中に、紙片等の入ったビニール袋を入れた上、ライターでその紙片に点火して放火して炎上させ、同籠を焼損し、そのまま放置すれば、同段ボール箱のほか、近隣の乙方居宅に延焼するおそれのある危険な状態を発生させ、よって公共の危険を生じさせたものである。】(適宜、表現を変えました。)

私にはとても書けない事例ですね。


ところで、今回の話にはオチがありまして、学生2名が答案を作成することになっていましたが、1名は答案を作成する時間がないそうです。そして、1名が答案を提出してきましたが、何と平成23年刑事系第1問に対する答案でした。私は、通常、西暦で年を表現することはありません。法務省のホームページで司法試験のところを見ると、年号で表記していますから、これに逆らう理由がないのです。ただ、今回は利用したレジュメが2013年となっていたので、学生2名には「2013年の問題」と言ったはずです。私が保管しているメモ用紙には「2013年問題」となっていました。スタートからやる気がなくなる出来事でした。
関連記事

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://ogmomomanami.blog.fc2.com/tb.php/2988-a5b079fd
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

Appendix

カテゴリ

Extra

プロフィール

オグちゃん

Author:オグちゃん
平成25年5月、アメーバ・ブログから引っ越してきました。役に立つことも、役に立たないこともマイペースで書いています。日記のような感じでしょうか。

しかし、ブログから新しい出会いが生まれ、有難いものであるということも知りました。

最新記事

検索フォーム

アクセスカウンター

フリーエリア

QRコード

QR

天気予報


-天気予報コム- -FC2-