Entries

判決結果について

平成27年4月28日、私が傍聴した強盗致傷、道路交通法違反、窃盗被告事件に関する裁判員裁判の判決は、被告人を懲役6年6月に処し、未決勾留日数中270日をその刑に算入するというものでした。なお、検察官の求刑は懲役8年でした。

こんなものでしょう。強盗致傷の法定刑の下限は懲役6年ですが、強盗致傷の態様、道路交通法違反、窃盗等も審理されていることからすると、酌量減軽をしてそれを下回る刑を言い渡すことは到底考えられません。それにしても、未決勾留日数中270日をその刑に算入するということですから、被告人は相当長期間にわたって勾留されていたことになります。

そこで、本題の争点についてです。判決では詳しいことは分かりませんでした。事実認定の補足説明を聞いていると、裁判長は窃盗が未遂か既遂かが争点であると言っていましたが、普通に考えたら既遂でしょう。裁判長は、検察官が主張した予備的訴因を認定したとも言っていましたので、主位的訴因である(居直り)強盗致傷の主張は排斥されたことになります。むしろ、検察官が予備的訴因を追加したことは、これまでの経験からすると、裁判所から検察官に対して何らかの指示(暗示)があり、検察官がこれを受け入れたということを意味しているようが気がしてなりません。

そもそも(事後)強盗致傷で逮捕勾留して捜査を尽くし、(事後)強盗致傷で起訴しておきながら、特に証拠関係に変更がないと思われるにもかかわらず、検察官が(居直り)強盗致傷に訴因変更請求した意図が分かりません。そして、裁判員が、(事後)強盗致傷と(居直り)強盗致傷の違いについて理解するのは困難ではないとかも思えるのです。あえて言えば、裁判員裁判では、捜査段階で作成された供述調書よりも公判廷での証言、供述に重きを置きますから、被告人質問で勝負をかけるという手があったかもしれません。しかし、いずれにしても強盗致傷が成立することに争いがない以上、検察官が不細工な訴因変更請求をする必要はなかったと思われます。これに対し、弁護人は、一連の流れの中で、被告人が強盗の犯意を有していたかどうかは量刑に大きく影響する事情になりますので、(居直り)強盗致傷をすんなり受け入れることはできなかったはずです。なお、量刑の理由の中で、裁判長が強盗はもちろん、窃盗も計画的な犯行ではないと指摘しました。

最近、検察官の求刑の1・5倍の刑を科した裁判員裁判の判決が最高裁判所によっておかしいと指摘されましたが、そのことを受けてのことか、裁判長が「自動車を盗んだ場合の事後強盗致傷の科刑が懲役3年から懲役7年の幅の中にある。」旨述べて、量刑の傾向を考慮していたのが印象に残りました。

上記の未決勾留日数270日を考えれば、実質的には強盗致傷の法定刑の下限である懲役6年を下回ったことになりますから、被告人、弁護人は控訴する必要はないと思います。判決を聞いている検察官の動きを注視していましたが、悲壮な感じが伝わってきませんでしたから、検察官も控訴しません。

今回の裁判員裁判は、裁判員6名のうち、5名が女性でした。傍聴席には背広の上を脱いでワイシャツ姿の男性2人がいましたが、警察官かもしれません。そして、開廷間際になって傍聴席に入ってきた若いのは司法修習生だったのかもしれません。開廷間際になってドタドタと入ってくるのは、何とかならないのでしょうか。
関連記事

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://ogmomomanami.blog.fc2.com/tb.php/2964-603543b0
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

Appendix

アクセスカウンター

フリーエリア

Extra

カレンダー

10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

最新記事

カテゴリ

検索フォーム

QRコード

QR

天気予報


-天気予報コム- -FC2-