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道(続)

sahdowさんからどん引きするコメントを頂きましたが、その中に登場したスカッとする結論を出された検事正がどなたであったか確認できました。

決裁する者(決裁官)と決裁を受ける者では自ずと立場の違いがあり、決裁官が30年近く経験を積まれた検事正となれば、醸し出す雰囲気に飲まれることもありました。今回の検事正は人格者でした。しかも、恐いという評判が先行していました。検察官の中には、必ず怒られた上に、決裁印を頂けないものがいたのも事実です。そもそも決裁を受けにくるのが遅い(補充捜査を命じようにも勾留の満了でその時間がない。)ということでお怒りになって、印を押すときも、わざと横向きや逆さま、もっとご機嫌を損じたときは刻印のない方で押されているとの情報を得ていました。

そこで、私は、とにかく決裁を受けにくるのが遅いということでご機嫌を損じることがないよう気を付けたことはもちろんですが、検事正から、一つの事件を処理して決裁印を頂くにあたって、何か一つ学んでいこうと思っていましたので、検事正の決裁を受けることが苦になりませんでした。それでも、事件の処理が思わしくないときは、検事正は印を押すのを躊躇われていました。その場合は、私から「検事正、横向きで結構ですから、印をお願い致します。何でしたら逆さまでも。」と言うと、優しい顔をされて印を押し、「ご苦労さん。」と言って下さったものです。そして、次の事件も頑張ろうと思い、次席検事、刑事部長に検事正から決裁印を頂けたことを報告し、皆ホッとしているのでした。したがって、次席検事、部長とは比べものにならない力量、度量が備わった方でした。

その検事正が本領を発揮されるときがきました。以前に1期先輩の検察官の逸話として記事に書いて投稿しましたが、先輩が10年ものの長期公判未済事件を自分の代で終わらせると決意して、裁判所と協議して結審に向かって驀進し、年度末に判決ということになりました。普通であれば、自分の代で終わらせることなく、次に引き継ぎ、異動していく検察官が多いのです。

ところが、何気ないことから来るべき判決の内容を予想できる事態となり、案の定、問題判決が出てしまい、先輩は年度末でバタバタしているときに高検の控訴審議に備えるための資料作りに追われ、結局、年度が変わって異動の辞令をもらっても異動することなく、資料作りに没頭していました。そこへ検事正が手を差し伸べられました。元々、検事正ご自身も、若いときにその事件に関与されていたらしく(公判が長引いている事件はこのパターンが多く、その後、時が経過して偉くなられている訳ですから、自分が担当した昔のことをほじくり返されるのを嫌がりますし、「間違っていました。」とはなかなか言えない素地があるのですね。したがって、最低でも高裁の判断を仰ぐため、控訴ということになります。)、控訴審議の資料作りをされたのでした。後に、控訴審で原判決が破棄されたことを知りました。

電車の線路上にコンクリートブロックを置いた往来危険の事件を担当した際のことです。往来危険は「具体的危険犯」とされていますから、警察を介して、電鉄会社に対し、「事件で使われたコンクリートブロックと同じものを使って、電車が脱線するなどの事象が生じる危険があったか実験できないか。」と問い合わせたところ、「それこそ脱線したら、えらいことになるので勘弁して下さい。」と言われ、この点について疑問を抱きながら、検事正の決裁を受けた記憶があります。

DSCF0011().jpg



今回は、この尊敬する検事正が退官される前にご朱印帳に書いて下さった「道」という字をアップしました。その意味は、お手数ですが、引用した上記の記事を御覧下さい。なお、ブログのデザインに関して頂いたコメントは、FC2ブログに引っ越す前のアメーバブログ当時のものを意味しています。
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平成25年5月、アメーバ・ブログから引っ越してきました。役に立つことも、役に立たないこともマイペースで書いています。日記のような感じでしょうか。

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