Entries

法科大学院の授業を参観して

平成26年11月17日の午後、法科大学院の刑事訴訟法の講義を参観させてもらいました。開校時に比べ、学生数が減った影響から、大きな教室での講義でしたが、出席している学生の数が気になりました。なお、私は一番後ろの席に座っていました。

今回の講義は、被疑者の権利としての弁護人選任権、弁護人との接見交通権がテーマでした。ついこの前まで、捜査段階での弁護人の数に制限があることを知らなかった私としては、何となく恥ずかしくなるテーマでしたが、講義の内容は理解できました。ついでに、弁護人の数の制限に関する条文を載せておきます(刑事訴訟規則26条、27条)。特に所属する弁護士の数が多い事務所の場合、民事事件を受任する際の委任状をもらうつもりで弁護人選任届に弁護士の名前を連ねると、「各被疑者について3人を超えることができない。」という制限にひっかかることになります。なお、「3人を超えることができない」の意味は3人までは可で、4人以上は不可ということです。条文によって紛らわしい表現をしている(例えば、「3年以上の懲役」と規定しています。)ことがありますので、注意が必要です。

接見交通権のところで、過去の裁判例が紹介されました。そして、その裁判例が「民集」に掲載されている理由が問われましたが、なかなか正解に達しませんでした。しかし、併記された裁判例の名称が「××国賠事件」となっていましたから、きちんと予習していたら答えることができる質問でした。さらに、先生が国賠事件で、被告は誰が裁判に出てくるかと執拗に問われていました。国、法務大臣という答えもありましたが、先生が期待していた答えは訟務検事でした。私は、司法試験の公法系の問題(平成23年、24年等)で、当事者の表記を間違っている答案について基本が分かっていないとする採点実感があることを示した方が学生には分かりやすいと思いました。

次に、「第1回公判期日前に限り」という文言がある条文について、刑事訴訟法を横断的に見ていきました。非常にいい講義のやり方であると思いました。ただ、その趣旨を聴かれて、予断排除の原則と答えられない学生(2年生、3年生)は勉強不足ではないでしょうか。

授業では2つの書類のサンプルが配付されました。一つは弁護人選任届でしたが、このサンプルは捜査段階で被疑者以外の者が弁護人を選任する場合に使用するものでした。ただ、その宛先が「××地方検察庁」となっていたことが気になりました。刑事訴訟法において、検察庁という組織体が問題になることはないと思います。例えば、司法警察員が被疑者を逮捕した場合、身柄を拘束した時から48時間以内に書類及び証拠物とともに被疑者を検察官に送致しなければならないことになっており(刑事訴訟法203条1項)、検察庁に送致とはなっていないのです。したがって、弁護人選任届の宛先は「××地方検察庁 検察官」とすべきであると思います。

少し話が脱線しますが、検察官に事件が送致される前の段階ですと、弁護人選任届は「××県××警察署 司法警察員」宛てにしています。対応した警察官が法律に詳しくない場合は、「検察庁(官)に出せ。」とか、「裁判所に出せ。」と言って弁護人選任届の受取を渋ることがありますが、ここで引き下がってはいけません。

学生に配付されたもう一つの書類は、「接見等禁止決定に対する準抗告申立書」でした。該当する事由にチェックを入れる様式でした。ここで、最近経験したことを御披露しますと、若手の人が、被疑者段階で接見等禁止決定がなされている事案で、裁判官に対し、一部の親族について接見等禁止の解除してくれるよう申請したところ、「職権発動しない。」との回答がありました。私は若手の人の申請が認められなかった場合は、準抗告すればいいのだなと思っていましたが、「職権発動しない。」との回答が気になって、いろいろを調べてみたら、きちんとブログに記事として書かれている方がいらっしゃいました。妙に感動しました。つまり、接見等禁止を解除しない(従前どおりである。)場合、不服申立である準抗告の対象がないのです。これに対して、仮に、裁判官が、弁護人の申請を容れて、一部の親族と被疑者が接見等をすることを解除した場合には、検察官から、裁判官がこれを解除した点を捉えて準抗告ができることになります。では、今回の講義で、学生に配付された資料はどうなっていたかと言いますと、最初に裁判官が一部の親族を除外することなく、弁護人を除いて一律に接見等禁止決定をしたことを対象に、これが不服であるとして準抗告する際の申立書の様式でした。


講義が終わった後、先生の部屋に案内され、お茶をご馳走になっているとき、上記の準抗告のことを話題にしました。「職権発動」という言葉を気に止めず、準抗告していたら、恥をかくところでした。そういえば、先生の方から、「弁護人は身柄を拘束された被疑者を早く自由の身にすべき立場にありますよね。これを前提にして、弁護人から、検察官に対して、被害弁償すること(その結果、最終的に不起訴処分を狙う。)を理由に勾留期間の延長請求をするよう上申することをどう思われますか。」旨質問されました。思わず、「それはこの前、私がやったことです。」と答えていました。


ところで、俳優の高倉健さんが亡くなられたことを知りました。いつまでも変わらず、格好いいなあと憧れていたのですが、不死身ではなかったのですね。私も、高倉健さんと同様に、不器用なのです。
関連記事

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://ogmomomanami.blog.fc2.com/tb.php/2841-416d9aeb
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

Appendix

カテゴリ

Extra

プロフィール

オグちゃん

Author:オグちゃん
平成25年5月、アメーバ・ブログから引っ越してきました。役に立つことも、役に立たないこともマイペースで書いています。日記のような感じでしょうか。

しかし、ブログから新しい出会いが生まれ、有難いものであるということも知りました。

最新記事

検索フォーム

アクセスカウンター

フリーエリア

QRコード

QR

天気予報


-天気予報コム- -FC2-