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いわゆる2号書面について(1)

検察官面前調書が伝聞法則の例外として裁判所に証拠採用される場合、これを2号書面と言っています。根拠となる刑事訴訟法の条文が321条1項2号によるからでしょう。

私は、これまでに検察官面前調書を2号書面として採用するよう裁判所に請求したことがありません。仮に、2号書面の請求をするとなれば、その場合の方法は次のようになるはずです。

【検察官】  「証人××の検察官面前調書を刑事訴訟法321条1項2号により、取調べ請求します。要件は、××です。」
【弁護人】  「要件に該当しません。」、「異議はありません。」
【裁判所】  「取り調べます。」、「却下します。」

【検察官】は、却下された場合は慌てず異議を申し立てる必要があります。
「異議があります。検察官面前調書は、刑事訴訟法321条1項2号の要件を満たしているので、先程の決定は同条の解釈適用を誤った違法があります。」

【裁判所】  「異議を棄却します。」(更なる異議の申立はできません。)


一度だけ検察官面前調書を2号書面として取調べ請求しなければならない事態に遭遇しました。それは暴力団同士の抗争事件で、被害者である暴力団組員が証人になる予定でした。ところが、被害者が再三にわたる裁判所からの召喚に応じないため、何度か審理が空転し、勾引も空振りしました。私は、法廷で待機して、「今日も空振りかなあ。」と暢気に構えていると、「現在、勾引状を執行して裁判所に向かっている。」との情報が入りました。この場合、事前に証人テストもしていませんでした。初めて見る被害者は勾引されて憮然としており、私が被害に遭った事実を質問しても、「さあ?」ととぼけ、被告人とは仲がいいと言っていました。そこで、検察官面前調書を2号書面として請求するための尋問を始めたのですが、そのやり方を知らなかったため、調書をそのまま読み上げ、「検察官の前では、××と話しませんでしたか。」と質問しました。これには裁判所から「検察官、調書はそのまま読み上げるのではなく、要約して下さい。」と注意がありました。しかし、頭に血が上った私には調書を要約する器用なことはできず、裁判所から同じように注意がありました。このときの法廷には、虫の知らせがあったのか、司法研修所の元検察教官で、公判部の室長をされていた大先輩に付き添ってもらっていましたが、小さな声で「要約、要約。」と言われたり、背広の裾を引っ張られたりしました。

結果がどうなったかですが、弁護人からの反対尋問で、証人が「何とも思っていません。処分は望みません。」と言ったため、弁護人は目的を達し、当初の不同意との意見を撤回して、同意しましたので、私が検察官面前調書を2号書面として取調べ請求することはありませんでした。つまり、検察官面前調書は、同意書面(326条)として採用されました。
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平成25年5月、アメーバ・ブログから引っ越してきました。役に立つことも、役に立たないこともマイペースで書いています。日記のような感じでしょうか。

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