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共同暴行について(3)

【具体的事例・応用】
甲、乙及び丙の絡んだAに対する事案です。被告人甲だけが暴力行為等処罰に関する法律違反の罪(共同暴行)で起訴され、その弁護人に選任されて甲と接見したところ、甲が「自分は、現場にいたことは間違いないが、被害者に暴行を加えていない。」と弁解したとします。

そこで、起訴状の「公訴事実」を確認したら、「被告人(甲)は、乙及び丙と共謀の上、Aに対して、全員で暴行を加えた」とし、罰条の部分に刑法60条が引用されていなかった場合には、検察官は関係証拠から甲の上記弁解を信用せず、甲もAに暴行の実行行為に及んだとして起訴したことが分かります(※)。しかし、公訴事実と罰条では誰が暴行の実行行為に及んだのか判然としなかったり、公訴事実は甲ら3名全員がAに対して暴行の実行行為に及んだと読めるにもかかわらず、罰条で刑法60条が引用されていたら、検察官に釈明させる必要があります。

これに対し、(※)の場合で、被告人が「乙、丙と被害者を痛めつけてやろうと話し合って、現場に行ったものの、自分は暴行していない。」との弁解を貫く場合は、少なくとも公訴事実と罰条が違うのですから、弁護人は「被告人(甲)は、乙らと共謀はしたが、Aに対して暴行の実行行為に及んだ事実はない。したがって、被告人を暴力行為等処罰に関する法律違反(共同暴行)で処罰するには、刑法60条を適用する必要があると考える。」と言えばいいのです。被告人にとって大した実益はありませんが、法律家としてはよく理解できていると評価されるはずです。さらに、暴行の実行行為だけでなく、共謀もないというのであれば、弁護人はその旨述べて無罪を主張することになります。



私が以前に共同暴行に関する記事を投稿した際、読者の方からそれは間違いではないかとのご指摘はありませんでした。それだけの理由しかなければ、若手の人の疑問は解消しなかったと思いますが、今回の投稿を読んでくれたら、自信をもって法廷に臨めるはずです。私は司法研修所での二回試験(卒業試験)の際、口述試験で暴力行為等処罰に関する法律について質問されました。これに共謀共同正犯が絡めば、司法試験の問題としても面白いのではないでしょうか。

(若手の人と餃子の王将に行くのを楽しみにしています。)
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平成25年5月、アメーバ・ブログから引っ越してきました。役に立つことも、役に立たないこともマイペースで書いています。日記のような感じでしょうか。

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