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保釈請求書の起案について(1)

シコシコ保釈請求書を起案したところ、それなりの体裁になり、内容も少しは評価できるものになってきました。

ところで、必要的保釈の除外事由については、刑事訴訟法89条に列挙されていますが、もっとも問題になるのが同条4号の「被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。」ではないでしょうか。保釈に関する意見を求められ、時間がない場合は、「89条4号該当」と書いておけば保釈請求は大体却下されていたと思います。第1回公判期日までは、裁判所ではなく、裁判官が保釈について判断しますが(280条1項)、保釈を許可したばかりに、被告人が公判期日になってそれまでの認否を翻し、さらに、検察官が提出した証拠の多数が不同意となって公判が紛糾すると、裁判所から何を言われるか分からないので、第1回公判期日までは保釈に関する判断が慎重になるのも頷けます。恐らく公判を担当する検察官も同じ気持ちでしょう。

そのため、「始めに結論ありき。」で、悪い方向で判断されやすい傾向にありますが、私は、捜査段階における客観的な事情が使えるのではないかと思います。つまり、検察官が、捜査段階において、①被疑者が弁護人以外の者と接見したり、物の授受をしないよう接見等禁止の請求をしたかどうか、②被疑者が自白しているにもかかわらず、勾留延長の請求がなされていないか、そして、③共犯者が存在するかという点です。

この点、①最近の捜査では、検察官から接見等禁止の請求がなされることが多く、裁判官も比較的安易にこれを認めるようですが、「勾留」という身柄拘束だけでは足りず、接見等禁止の請求がなされ、あるいは、同決定が出ていた事実は、そうでない場合よりも罪証隠滅の疑いがある事案といえるため、保釈請求は却下される可能性が高いでしょう。②次に、当初の勾留は10日よりも短い期間では認められませんから、検察官が勾留延長の請求をすることなく、10日間の捜査で起訴した(実際には土曜、日曜、祝日の関係でもっと短縮されることがあります。)ということは順調に捜査が進んだ証ですし、殺人、強盗等の重大事案の場合は、たとえ被疑者が事実を認めていても、勾留延長の請求をする慣行ですから、それがなかったことは事案がそれ程重大ではないといえるでしょう。③さらに、共犯者が存在する事件では、必然的に口裏合わせ等の危険があり、共犯者が存在しない事件とは趣を異にします。


保釈請求書では、以上の客観的な事情を指摘した上で、被告人にまつわる個別事情を盛り込むことになります。なお、私は保釈請求書を起案する場合、必ず保釈保証金の希望額を書くようにしています。なぜなら、裁判官が保釈を許可するかどうか迷い、許可した場合に検察官から準抗告されるのを嫌って、保釈請求を却下する可能性があるからです。そのような場合、裁判官が、弁護人が希望した保釈保証金よりも高い金額で保釈を許可し、一応検察官の面子も立て、検察官からの準抗告を回避できるかもしれません。


保釈をめぐっては、法曹三者でいろいろと駆け引きがありますが、それでも私には書面で関係者を説得するものであるという信念があるため、面談を求めるやり方は好きではありません。
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平成25年5月、アメーバ・ブログから引っ越してきました。役に立つことも、役に立たないこともマイペースで書いています。日記のような感じでしょうか。

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