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刑事系の問題(3)

12月15日、大河ドラマのテーマ曲を聴きながら、作業を行っているところです。遠い昔のことが思い出されます。また、最近の曲でもドラマの題名が出てこないものがあります。


刑事系の問題について、解答する受験生の立場から、答案の書き方を検討したいと思います。「甲、乙及び丙の各罪責を検討せよ。」となっていますので、時間切れにならないよう注意し、各自の罪責を検討する中で、採点者に読ませる部分を盛り込む必要があります。過去に共謀共同正犯に触れた記事があるのでこれは省略し、実行正犯で、最初に論述しなければならない乙の罪責を検討するにあたっての注意点を示します。

まずは、窃盗の実行の着手があるかどうか迷うと思います。問題文を作成する際、「乙は、自動車の扉を開けて、車内に体を入れている状態であった。」とすることも考えましたが、それでは受験生が何も悩まないだろうと思い、あえて問題を難しくしたつもりです。判例を知っているかどうかは関係ありません。その場で実行の着手の意義を考え、しっかり論じてくれたらいいのです。そうすれば、事後強盗→強盗殺人の流れが出てこなかったとしても仕方ないと思います。


窃盗の実行の着手があることを前提に議論します。事後強盗(238条)の要件にあたるか、大事に構成要件要素を1つずつ吟味して下さい。規範を定立して、事実認定をしますが、その際、問題文に無駄なことは書かれていないので(具体的な数字が書かれていたら注意しましょう。)、よく問題文を読み込んで下さい。


そして、事後強盗が成立するとして、強盗殺人の認定に入る際の悪い論述の例を示します。

【さらに、乙が、ナイフでAを刺殺した行為について検討する。①まず、殺意が認められるか、②次に、殺意が認められた場合は強盗殺人が成立するが、240条後段に故意がある場合を含むかが問題となる。】

わずか数行の論述ですが、話になりません。このような論述をした受験生は、「刺殺」という言葉の意味が分かっていないのです。刺して殺すのですから、すでに殺意があったと認定しています。日本語の持つ意味、響きに鈍感な受験生が増えているように思います。例えば、児童虐待の事案で、「お湯を体にかけた。」と言えば故意がありますが、「お湯が体にかかった。」と言えば故意はなく、過失(不注意による事故)になります。

さらに、論点は1個ずつ処理しなければいけません。仮に、①殺意が認められないとなれば(ただ、この認定は、実務家としてのセンスがないことを露呈します。)、強盗致死が成立しますが、これが240条後段に該当することは明らかであって、単なる条文の適用にすぎません。その場合は、上記②の論点を議論する余地はありませんから、問題提起で無意味な論述をしたことになります。これに対し、殺意があると認められた場合、答案の多くは、「上記②の問題については」と省略して書いているのが実情です。しかし、極端な言い方をすると、上記②の問題が何を意味していたか、答案を読み返す「作業」が面倒なのです。採点者はせっかちですから、無用な作業をしないで済む答案を好みます。かといって、試験時間や答案用紙の枚数の限界から、同じことを二度も書いている余裕はありませんね。なお、窃盗が未遂であったため、強盗殺人の未遂か既遂かの論点もありますが、細かな論点です。
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平成25年5月、アメーバ・ブログから引っ越してきました。役に立つことも、役に立たないこともマイペースで書いています。日記のような感じでしょうか。

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