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覚せい剤の密輸に関する最高裁判所の決定について

今日は天候が悪い中、バスとJRを利用して倉敷の先まで行ってきました。

久しぶりに法律論に関するブログを書くような気がします。つまり、覚せい剤を密輸したとして覚せい剤取締法違反の罪(法定刑に無期懲役が定められているため、裁判員裁判の対象事件です。)に問われた被告人について、最高裁判所が被告人の上告を棄却する決定をしたというニュースを聞き、記事も目にしました。やっと最高裁判所が裁判員裁判の結果にとらわれず、至極妥当な決定をされたなと思います。もっとも、裁判長を務めたのが検察官を退官されて最高裁判所の判事になられた方であるというのは何かの因縁を感じます。

この種事犯では、被告人が外国から本邦に持ち込んだ荷物の中に覚せい剤が入っていることを知らなかった(覚せい剤性の認識の否認)と弁解し、「疑わしきは被告人の利益に」の原則に拘泥しすぎて特に裁判員裁判で無罪判決が頻発しており、私に言わせれば、日本が覚せい剤の密輸天国になっているなあと思えてならなかったのです。この点、最高裁判所の決定は「特段の事情がない限り」密輸組織の指示を受けたと認定する、つまり、覚せい剤と知って密輸したと認定する(有罪)というもので経験則に適っていますし、これによって覚せい剤の密輸が減るのではないかと期待できます。なお、以前のブログの中で、覚せい剤の所持で起訴された被告人が覚せい剤性の認識を否認したケースを取り上げました(興味がおありの方は、覚せい剤、所持、所有、没収といったキーワードで検索して頂けますでしょうか。)。


ところで、インターネットの配信記事での見出しは「覚せい剤運搬役『知らなかった』でも有罪…最高裁」となっていました。これを一見すると意味がよく分かりませんが、被告人が「知らなかった。」と言っても、他の証拠からその弁解が信用できない結果、覚せい剤と知っていて運搬(密輸)したという事実を認定し、有罪とすることになります。


今後の裁判では「特段の事情の有無」が争点となるものの、検察官にとって立証が容易になると思われます。もっとも被告人が覚せい剤性の認識を否認すれば、それがどんなに不合理な弁解と思えても、弁護人はそれにしたがって弁護活動をしなければいけません。裁判員の皆さんには、このことを理解して頂きたいです。弁護人のほとんどは、そこまで(つまり、被告人の弁解を鵜呑みにするような)アホではないのです。
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平成25年5月、アメーバ・ブログから引っ越してきました。役に立つことも、役に立たないこともマイペースで書いています。日記のような感じでしょうか。

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