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現行犯人逮捕手続書について

現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができます(刑事訴訟法213条)。ただ、通常は警察官(この表現も微妙です。)が現行犯逮捕する場合が多いので、それを前提に考えます。

警察の活動に密着した番組でも、被疑者を現行犯逮捕する場面があります。覚せい剤取締法違反の場合ですと、逮捕する警察官が、被疑者に対して、「○時○分、覚せい剤取締法違反、所持で現行犯逮捕するからな、ええか。」と告げているシーンに出くわします。この現行犯逮捕の場合も、無制限に身柄拘束が認められているわけではなく、逮捕したときから48時間以内に被疑者を釈放するか(俗にいうヨンパチ)、書類等ともに検察官に送致する手続をする必要があります(216条、203条1項)。仮に時間制限に違反したら、被疑者を釈放しなければいけません。

先日、大阪の裁判所が、現行犯逮捕の適法性が争われた民事裁判で、現行犯人逮捕手続書(以下「逮捕手続書」といいます。)の内容が「誇張されて虚偽」であるとした判決を言い渡していました。逮捕手続書は、被疑者を逮捕した警察官が、その経緯(これが重要です。)や逮捕時の被疑者の状況等について起案した書面です。捜査の第一線は戦場ですから、出来事を事細かく憶えている方が不自然と思われることがあるかもしれません。それゆえに、重要なところは逆に無難な範囲で起案することが重要でしょう。そして、私が重要と思うのは、①職務質問した理由、②所持品検査時の被疑者の対応(「任意」という以上は、相手方の承諾を得るべきです。言葉がなければ、首を縦に頷いたとの動作でも構いません。)、③逮捕の時間、場所であると思います。


この観点からすると、余り重要ではないのですが、逮捕手続書の「逮捕時の状況」という欄の記載が妙に気になるのです。よく見かけるパターンですが、「被疑者に対し現行犯で逮捕する旨を告げたところ、素直に『はい。』と答え、渋々逮捕に応じた。」と記載されていて、少しでも被疑者のイメージを悪くしようとしているように思うのです。そして、私には「素直に」、「渋々」の各表現には逆の響きがあるため、短い日本語の文章としてどうなのか(具体的にイメージできない。)という疑問があります。実際のところ、先輩が処理した逮捕手続書を拝借し、そのような表現の細かさまで考えて起案していないのが実情ではないかと思います。しかし、私が、現行犯逮捕の適法性を争う場合は、そこも問題にし、証人の警察官をネチネチ反対尋問することになります。つまり、いきなり本丸を落とすのは難しいですから、外堀から徐々に埋めていく必要があります。

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平成25年5月、アメーバ・ブログから引っ越してきました。役に立つことも、役に立たないこともマイペースで書いています。日記のような感じでしょうか。

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