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検察官の執務室について

佐賀地方検察庁の検察官が、取調中の被疑者に対し、カッターナイフの刃を向けたなどとして問題になっています。詳細については、今後の調査の結果で明らかになるでしょうが、取調べの様子を録音録画していたようですから、それがすべてを物語っていると思います。


ところで、検察官の執務室についてですが、各検察官毎に割り当てられています。その執務室以外で、被疑者の取調べや参考人の事情聴取をすることはほとんどなかったと記憶しています。もちろん、例外として、検察官が警察署に出向いて被疑者の取調べをしたり、参考人の許に出向いて事情聴取したことがありました。また、裁判員裁判対象事件の被疑者の取調べは録音録画する運用になったと理解していますが、録音録画する機器が各検察官の執務室に設置されていない場合は、それが設置されている部屋に移動することになるでしょう。もっとも、録音録画する機器を執務室に移動してくるのであれば別ですね。

テレビドラマで検察官が登場するものが増えましたが、検察官の執務室はあのようなものです。検察官用に結構大きな机が設置され、椅子も立派でした。被疑者を取り調べる場合ですと、検察官の前に被疑者が着席しますが、検察官と被疑者の間には、検察官用の机のほか、被疑者用の机(その上で供述調書に署名指印をしてもらいます。)がありましたので、検察官が椅子に座った状態、あるいは座った状態からその場に立ち上がって、そこから被疑者の体に触れることができるかと言えば、それは無理であったと言えます。

当然、被疑者を取り調べる際に、証拠物である刃物を見せて、この刃物を犯行に使ったことに間違いないか確認しましたが、この刃物を被疑者の方に向けるかは別問題でしょう。特にカッターナイフは、通常は刃の部分が内部に収納されていますから、犯行の際にどの程度刃の部分を出したか確認する必要があります。ただ、刃の部分を出した状態で、被疑者に向かって突き出すような行為は論外です。それから、一応大人しくしている被疑者が、質問の内容に逆上して、執務室に置いているハサミや錐(千枚通し)を手にするかもしれません。そのため、検察官から見て、通常は、右斜め前方(被疑者からは左横)に座っている立会事務官も、取調中は、カッターナイフはもちろん、ハサミ等の類も仕舞っていました。そのような被疑者が凶器として使用する危険以外に、被疑者が「立会事務官の机の上にカッターナイフが置いてあるのが目に入り、事実を認めなければ何をされるか分からないと思って、事実と異なる供述をした。」として、自白の任意性を争う事態も考えられるのです。したがって、野球や剣道をしている検察官が、普通にバットや竹刀を執務室内の見える位置に置いておくというのも厳禁でした。


いずれにせよ、特に意図はなかったとしても、弁護人に付け入られる隙を作った検察官は脇が甘いといわねばなりません。
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平成25年5月、アメーバ・ブログから引っ越してきました。役に立つことも、役に立たないこともマイペースで書いています。日記のような感じでしょうか。

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