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愚の骨頂

保釈を許可する決定がなされても、保釈保証金(以下「保証金」といいます。)が納付されるまでは、保釈されません(刑事訴訟法94条1項)。つまり、被告人は、勾留された状態が継続します。


そして、裁判所は、適当と認める被告人以外の者の差し出した保証書を保証金に代えることを許可できます(同条3項)。しかし、あまり利用されることはなく、弁護人が保証書を差し出したケースで、保釈された被告人が逃亡し、弁護人が大変な目に遭った事案がありました。



ところで、全国弁護士協同組合連合会(以下「協同組合」といいます。)が、この保証書を発行する事業を始めるようで、パンフレットが配付されました。仮に、被告人が逃亡し、保釈が取り消された場合、通常は保釈金を没取されますが、保証書の場合は記載された金員を裁判所に納付することになります。もちろん、納付するのは、保証書を差し出した協同組合です。よくこのような事業を立ち上げる発想ができるものだと感心します。


まず、協同組合は慈善事業をしているわけではありませんから、保証書の発行にあたって、手数料を取られます。そこで、これまで利用したことがある保証金の立替業者(以下「業者」といいます。)を利用する場合と比較してみます。


手数料については、協同組合の方が安く設定されており、しかも、審級毎に払えば済むので、2ヶ月毎に更新の手数料が必要となる業者よりは有利でしょう。


しかし、協同組合の方は、保証金の1割を必自己負担しなければなりません。この点、業者の方も、同じように保証金の1割を自己負担としつつ、審査の結果によって、異なる金額になることがあります。先日は、20万円を自己負担すべき案件で、5万円ということでしたから、私が拍子抜けし、業者にその理由を確認したら、あくまで審査の結果と言われました。いずれにしても、自己負担、手数料の金員が安い方がいいので、競争原理が働くことになるでしょう。


さらに、協同組合の方は、保証書の発行までに要する日数がはっきりしません。恐らく業者を利用する場合の方が早いと思います。したがって、前記のとおり、業者を利用する方が早く保釈されるのではないでしょうか。


最後に、協同組合の事業は、裁判所、検察庁から理解を得て、今後軌道に乗るかどうかが問題なのです。

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平成25年5月、アメーバ・ブログから引っ越してきました。役に立つことも、役に立たないこともマイペースで書いています。日記のような感じでしょうか。

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