Entries

裁判官の決断力について

どのような職業であっても決断を迫られることがあると思います。


この点、裁判官は、刑事裁判を前提にすると、最終的に人を刑務所に入れたり、死刑にするかどうかの判断をするのですから、悩まない方がおかしいです。ただ、自分が出した結論には自信を持ってほしいものです。私がお世話になった刑事裁判教官は「私が無罪判決を書いたら、検察は諦めて下さい。」と言われていました。反対に、検察官控訴され、高等裁判所で悉く原判決を破棄される裁判官もいました。


ところで、第1回公判前(予断排除の原則により、正確には、実質審理に入る前)は、被告人を保釈するかどうか裁判1人で判断します。保釈を許可した場合、検察官が準抗告しないか気になるはずです。仮に検察官が準抗告したら、別の裁判官3名が合議体を構成し、原決定が正しいかどうかを判断することになりますが、準抗告が認容された場合、原決定をした裁判官はショックを受けると思います。また、別の裁判官3名は、内心では「しっかりしろよ。最初から却下しておけばよかったのに。」と思うのではないでしょうか。もっとも、保釈請求を却下したら、弁護人が準抗告する事態も考えられますが、検察官のそれとは重みが違います。


さらに、保釈請求をした弁護人に対して、裁判所から「○○○万円用意できますか。」と電話があったとしたら、その意味は、言われた金を用意できたなら、保釈になると理解するのが通常でしょう。にもかかわらず、しばらくして「先ほどの金額は確定ではありません。保釈を許可するか迷っています。」と言うのは、仁義に反する対応といわねばなりません。



それから、保釈の許可決定が出された場合、保釈保証金を納付する手続に進みますが、検察官が準抗告したら、その判断がなされるまで手続はストップします。このとき、検察官には、弁護人に対し、準抗告した旨の連絡をする義務はありません。相当以前の協議会において、次席検事が「弁護人から問い合わせがあれば、お答えします。」と回答したのを聞いて、気が利かない野郎だなと思ったことがあります。少なくとも私が次席検事であれば、部下の検察官には、弁護人に連絡するよう指示すると思います。そして、事務所に電話しても連絡が取れなければ、事務所にファックスさせます。


要は、人としての礼儀の問題であって、法律に明文があるかどうかは関係ないと思います。


関連記事

コメント

[C1774] 1. 先生らしいですね

こんにちは、今日はゆっくり記事を読ませて戴きました。
素人の私にでも分かり易くお話して下さって有り難うございます。
人としての礼儀素敵ですね。でも、そこまでする検察官いるのかしら?プライド高そうですけど…。

[C1775] 2. 貴重な助言をありがとうございました。

裁判官は、迷いつつもこちらの請求を認めてくれましたが、オグちゃんの助言(記事の内容)に従い、検察庁に確認したら、やはり準抗告するとのことで、深夜まで待機し、結局準抗告棄却となりました。あそこで準抗告の有無の確認をせずに手続を進めていたらと考えるとぞっとします。その後無事手続も進み、本日午後に全て解決予定となりました。本当にありがとうございました。
  • 2013-05-13 12:26
  • shadow
  • URL
  • 編集

[C1776] 3. 最悪の場合

最悪の場合は、裁判所に保釈保証金を納付したのに保釈されず、結局、検察官の準抗告が認容されるパターンではないでしょうか。依頼者に会わせる顔がないです。
  • 2013-05-13 13:11
  • オグちゃん
  • URL
  • 編集

コメントの投稿

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://ogmomomanami.blog.fc2.com/tb.php/2111-9c91c08e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

Appendix

カテゴリ

Extra

プロフィール

オグちゃん

Author:オグちゃん
平成25年5月、アメーバ・ブログから引っ越してきました。役に立つことも、役に立たないこともマイペースで書いています。日記のような感じでしょうか。

しかし、ブログから新しい出会いが生まれ、有難いものであるということも知りました。

最新記事

検索フォーム

アクセスカウンター

フリーエリア

QRコード

QR

天気予報


-天気予報コム- -FC2-