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先週と今週の裁判員裁判について

先週、裁判員裁判があり、今週も本日から開始されました。同じ合議体の裁判所が審理を担当しています。


先週の事件は、執行猶予期間中であった被告人が、内縁の妻が妊娠していることを知りながら、裁判員裁判の対象となる事件を起こしたものでした。今になって被告人の帰りを待ちわびる内縁の妻や産まれた子どもがいることをアピールしても、インパクトがありませんね。この裁判で、被告人は通常の位置に着席していました。


判決は懲役4年6月でした。ニュースでは、「懲役4年6月の実刑判決を言い渡しました。」と言いますが、「刑の執行猶予」に関する記事で書いたように、執行猶予を付けることができるのは、懲役であれば、3年が限度ですから、わざわざ実刑判決と言う必要はありません。


さらに、判決では、未決勾留日数として190日が懲役刑に算入されました。


未決勾留日数の算入というのは、身柄を拘束されている被告人について、通常裁判に要すると思われる日数を超えて身柄を拘束された分をすでに刑の執行を終わったとして刑に算入するものです。未決勾留日数の算入についてまで言及したニュースを見たことがありません。この被告人の場合は、実質的に言えば、懲役4年を切っていることになります。そして、裁判員裁判の判決が確定すれば、前刑の執行猶予が取り消され(執行猶予の必要的取消)、その刑も合わせて服役することになります。なお、私は、検察官の求刑が懲役7年でしたから、懲役4年6月、未決180日(言い方を略しています。)ではないかと思っていました。


次に、今日から始まった裁判員裁判ですが、かなりヘビーな内容でした。知り合いの弁護士の車に同乗せてもらって、警察署に接見に向かっている際、緊急走行中のパトカーとすれ違い、「何か事件ですかね。」と話した記憶があります。今回は被害者等を支援する弁護士がいました。また、被告人は、弁護人の隣に座っていました。


勉強のために、検察官と弁護人の冒頭陳述まで聞いて帰ってきました


裁判員裁判の無罪判決が確定することについて

大量の覚せい剤を密輸したとして起訴された外国人について、裁判所が裁判員裁判で無罪判決を言い渡しましたが、検察官が控訴せず、この判決が確定する見通しであると報じられています。


すでに同種の事案で、無罪判決が出て、検察官が控訴しているものがあります。


外国人の否認の内容は、荷物の中に覚せい剤が入っていることは知らなかったと犯意を否認するものであり、検察官としては、犯意を立証するのは困難なところがあるのも事実です。外国人の指紋が覚せい剤が入った袋から検出されたら、有り難いことです。


犯意を立証する証拠が不十分として無罪判決になったのであれば、これを教訓に捜査をする必要がありますが、覚せい剤の売人が真似をするのが恐いです。例えば、公海上まで漁船で行って、物の受け渡しをしているところで検挙されたら、なかなか言い逃れができませんが、一度無罪判決が出ると、検察にとって教訓になるだけでなく、覚せい剤の売人にもその情報がアッという間に広がり、彼らにとっても、勉強の材料を提供することになります。


人が何かを所持するとき、「特段の事情がない限り」、その中に何が入っているかも認識した上で、所持しているのではないでしょうか。所持品の中に末端価格で何億円もする覚せい剤が入っていたら、当の本人は驚くでしょう。また、ドッキリ番組ではないのですから、売人は、大量の覚せい剤を荷物に忍ばせて、外国人を驚かせようとするのが目的ではないはずです。いずれにしても、今回は、この特段の事情がなかったということになるのでしょう。


それから、外国人の事件では、きちんと通訳がなされたのかという特有の問題が生じますね。日本語が理解できるのにもかかわらず、都合の悪いことを質問されたら、言葉が通じない振りをした者がいました。私に、「バラという漢字が書けるか。」と聞いてきた者もいました。薔薇が書けなくても、日常生活に支障は来しません。

我が家のおでん

オグちゃんのブログ-110110_183525.jpg


我が家のおでんです。一食でほとんどなくなってしまいます。


明日の夕食は、私が水炊きを作ることになりました。地元博多のような白濁したスープの水炊きはできません。とりあえず鶏肉と野菜を煮て、それらしいものを作ります。買い出しは次女が付き合ってくれることになっています。

被疑者と罪体との結びつきについて

刑事事件の場合、被疑者と罪体との結びつきがあるかを吟味することが最も重要です。すでに起訴された事件であれば、被告人と罪体との結びつきということになりますが、分かりやすく言えば、犯人性、つまり、その者が犯人かどうかということです。


もし、犯人でない者を犯人として逮捕勾留しているならば、どんなに立派な理論を展開しても、それ以前のところに問題があることになります。


例えば、いわゆるひき逃げ事件が起きた場合、警察官が道路にしゃがんで一列になって現場に遺留された証拠がないか捜しているシーンを目にすることがあります。車の塗膜片等が発見されたことから、被害者と衝突した自動車であることが判明しても、それだけでは被疑者と罪体との結びつきが完全に認めれられたわけではありません。


その自動車が事故を起こし、ひき逃げ事件で使用されたことは明らかとなりましたが、運転していたのが誰かという問題が残っています。したがって、この点の詰めが必要となります。この人間が、この自動車を運転しているときに、この事故を起こし、警察に通報せずに逃げたということが立証される必要があります。


犯人性に問題がないと思われる事件で、被疑者(被告人)が「身に憶えがない。」と言うと、頭を抱えることになります。

没収について

刑事裁判で、懲役などの「主刑」のほかに、没収という「付加刑」を言い渡されることがあります(刑法9条、19条以下)。


例えば、殺人事件で被告人が自分の所有する包丁を犯行に使用した場合、その包丁を没収することがあります。ただ、必ず、没収しなければいけないものではありません。


これに対し、主刑を言い渡す場合には、付加刑である没収を言い渡さなければならない場合があります。これを「必要的没収」と読んでおり、没収を言い渡さなければ違法な判決をしたことになりますので、これが上訴する理由になり、必ず上訴審で原判決は破棄されます。


覚せい剤取締法の中に、必要的没収が規定されています。


例えば、覚せい剤を所持していた場合、所持していた者が所有者であれば、没収するのに苦労しません。しかし、2人で所持(共同所持、所有)していたり、誰か分からない者が所有者として関わっている疑いが出てくると、ややこしい問題が生じます。共同所持の場合には、すでに覚せい剤が没収されているのか、第三者が関わっていると疑われる場合には、第三者没収の手続がとられているか(検察庁の掲示板に、「検察庁で保管しているので、所有者は定められた期限までに名乗り出て下さい。」という貼り紙をします。出てきたら、捕まるので出てきませんね。)検討しないといけません。


検察官は、没収求刑をするにあたって、上記のような問題意識をもつ必要がありますが、判決を書く裁判官から指摘され、慌ててどうなっているか確認することもあり、そのような場合は、検察庁から電話があり、「さらに証拠を提出するので、弁論の再開をお願いします。」と言われます。


裁判官は、すごいです。



検察官の求刑は懲役27年、弁護人の求刑は懲役18年

昨日、傍聴した裁判員裁判が結審しました。検察官の求刑は懲役27年、弁護人の求刑は懲役18年でした。


裁判員裁判は、弁護を担当している弁護人によって随分変わるものだなと思いました。同じようなことを言っても言葉の重みが違いますし、言葉を選んで使っていることが伝わってきました。弁護人の求刑も妥当なところでしょう。


考えてみれば、刑事弁護に関して、私が思いつく最強のコンビが弁護にあたっていたのでした。

受験生もいろいろです

知り合いの方から聞いたところでは、昔もそうでしたが、今もあまり変わっていないようです。司法試験の受験生もいろいろです。


まず、素質がないと思われる受験生がいます。せめて、やる気があるのであれば、手を差し伸べてあげたくなるのですが、その意欲を失わせるに十分な性格の人間がいますね。このタイプは、早く違う進路に進んだ方がいいと思います。


これと両極端の位置にあるのが、受験のプロと思われる受験生です。少数ですが、必ず、います。このタイプの受験生にとっては、できないことが不思議に思えるのではないでしょうか。ちょっとヒントを与えると、後は任せておいて大丈夫です。


問題なのは、やる気があって、そこそこ素質もあるのに、思うように成績が伸びず、悩んでいる受験生です。この受験生は、何とかしてあげたくなります。


いい指導者に出会うことができるか、その指導者の言葉を騙されたと思って信じ、最後まで頑張ることができるかが合否の分かれ目です。今の御時世に、精神論をぶちまけられて、「気合いを入れろ。」と言われても、我慢できずに楽な方に行ってしまう若者が多いのも事実です。それは、残念ですが、自分と縁がなかったということになります。しかし、合格してくれたら、それはそれで大変結構なことですね。

県警の逮捕術大会について

先週は県警の警察音楽隊のコンサートに招待して頂きましたが、来週は逮捕術の大会に招待して頂いています。


前回は柔道・剣道だけの大会で、逮捕術がなかったため、ちょっとがっかりしたのですが、今度はお声をかけて頂くことができました。


他の予定との関係で、最後まで見学することはできないと思いますが、血の気が多い性格ですので興奮すると思います。見た目では、その筋の人と変わりません(それ以上かもしれません。)から、万が一、テレビに映っても違和感はないはずです。


大会の模様は、改めて御報告します。

大相撲の八百長問題について

「やっぱりなあ。」という感じです。昔からの悪しき慣行でしょうね。


八百長疑惑が元力士や週刊誌に取り上げられる度に、相撲協会や名指しされた力士は民事裁判を起こしていました。


民事裁判で相撲協会等は、八百長は「ない」と言うに決まっていますから、八百長が「ある」と主張する側が、その存在を立証することになり、事実上は無理な話でした。結局、八百長があったと認めるに足りる証拠はないとして、相撲協会等が勝訴して、損害賠償請求が認められてきたのですが、今回メールという動かぬ物証が出てきましたので、あの民事裁判について再審請求をしてみてはどうでしょうか。


最近は、いろんな方面で、「あるんじゃないの?」と思われていたことが、物証が存在することによって言い逃れができない状態になっているような気がします。


いずれにしても携帯電話が普及し、メール機能が付いたことは捜査にとって重要な証拠を提供することになりましたし、自動車が普及したことはナンバー読みとり装置によって、さらに、防犯ビデオが至る所に設置されたことによって、人の移動状況が判明し、これもまた捜査にとって重要な証拠を提供することになりました

原本・謄本・抄本について

説明するのが難しいですが、書面を作成した場合(作成者の署名押印があるとします。)、その書面自体は原本になります。


この原本をコピーして、写しを作成した場合、原本の作成者の署名押印部分は当然コピーになりますが、きちんとコピーしたことを示すため、署名押印します。その際、「謄本である。」と認証しておきます。一般的に言えば、謄本を作るのはそれほど手間はかからず、コピー機に挿入しておけばいいですね。


刑事裁判では、裁判所は原本を調べて、写しを記録に編綴することが多いので、原本と写しが相違ないことを確認してもらう必要があり、そこで手間取ると、興ざめしてしまいます。


最後に、抄本ですが、これは書面の一部に同意できない(証拠とすることを許さない。)部分がある場合、その部分を削除して、元の書面の一部を提出する場合の書面です。ですから、あくまで写しです。


そして、同意できない部分を削除して、抄本を作成するのは検察庁の検察事務官の仕事です。その手間を考えると、弁護人は、検察事務官が抄本を作成するに十分な時間的余裕をもって、同意・不同意の意見を伝えるのが礼儀ということになります。ただ、弁護士は時間を守りませんから、とろい弁護「」が多いのです。


(弁護士と弁護人は違いますが、この使い方が分かっていない司法試験の受験生がいます。反省した方がいいです。)


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