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元局長の無罪判決について

厚生労働省の元局長(休職扱い中)に対し、無罪の判決が出ました。相当数の供述調書を証拠採用されなかった以上、無罪判決は予想されたわけで、驚くべきことではありません。これについて何もコメントしなければ、悔いを残すでしょうし、書きすぎると、またグタグタ言う輩がいるので、端的に私見を書くことにします。


捜査を担当した検察官、辛い事件だっただろう。被疑者、参考人も辛かったが、検察官も辛かったに違いない。


公判を担当した検察官も屈辱だっただろう。


いずれにしても、検察官は、被疑者と同じ目線の高さで取調べをすることを忘れるな。公判で、何が起きてもジタバタするな。この事件を担当したことで、検察官を辞めるな。



「検察は横綱相撲をとれ。」




控訴しますか?

厚生労働省の元局長(休職扱い中)に無罪判決が言い渡され、マスコミがこれ見よがしに報道し、今日は、検察が控訴断念の方向で検討を始めたとの報道がなされています。


昔、上司の役割について、①部下が失敗したとき、まず責任をとること、②部下がこの事件はダメですと上申してきた場合は、事件を一番知っている部下(主任)の意見を尊重すること、③部下がこの事件はやりたいと上申してきた場合は、それまでに培った経験を生かし、ダメだと言うこと(気分で事件を潰すという意味ではありません。)であると教えてもらったことがあります。


地検は、自分が事件を担当しているのに、「不控訴」という意見で上級庁にお伺いを立てにくいところがあります。面子に拘らず、ダメなものはダメという人間(上司)が組織には必要です。


なお、三審制を採用している以上、控訴したければ控訴すればいいと思います。

特捜検事の不祥事について

お昼のニュースで、大阪地検特捜部の主任検察官が、厚生労働省の元局長に関する事件で証拠を改ざんした疑いがあると報道し、検察の幹部だけでなく、官房長官や法務大臣までコメントを出していました。事実であるとすれば、ゆゆしき事態です。




主任検察官は、そんなに出世がしたかったのか。あるいは、そこまで追いつめられていたのか。自分のしたことの意味が分かっているのであろうか。いずれ検察官バッジを返納し、場合によって、被告人となるかもしれませんが、武士の世であれば切腹ものに違いありません。


そもそも今回の捜査はおかしかった。検察官は取調べメモを破棄していましたし、多数の検面調書(検察官が話を聞いて、その内容を書面にし供述者の署名指印をもらったものと理解して頂ければいいでしょう。)が証拠として採用されませんでした。


取調べは、取り調べる者と取調べられる者との「人格の勝負」であり、両者の目線の高さは同じでなければならず、泣かせることを言うこともあるし、怒ることもあるから、可視化にはなじまないと考えてきました。しかし、こういう事態になった以上、特捜部が担当する事件、検察庁が面子をかける独自に捜査する事件は、すべて録音録画した方がいいと思います。そのような議論に拍車をかけるのではないかと思います。




主任検察官に子供さんはいないのだろうか。子供さんは「うちのお父さんは、検察官で、悪いことをした人をやっつけるのが仕事だ。」と胸を張っていたのではないだろうか。今回の件は主任検察官個人の問題であったとしても、責任を取って辞職しなければならない検察官が相当数に昇るものと思われます。

特捜検事の逮捕について(1)

昨夜は早く寝ました。



起きてみると、問題の特捜検事が逮捕されていました。検察がこの問題を重視しているとアピールする意味と、被疑者(逮捕された以上、法曹としては法律用語を使わせてもらいます。)の自殺防止が目的だったのでしょう。最高検が動くということも、問題を重視している表れですが、大阪地検を直接監督する大阪高検さえ信用していないということでしょう。


被疑者は曖昧な供述をしているようですが、それが通用するかどうか分かっていないのであれば、この被疑者はアホだったということです。一夜にして、取調べる者から取調べられる者に変わり、ショックでしょう。取調べにあたる検事から、ぼろくそに言われて、これまで自分がどんな捜査をしてきたか振り返るのも重要です。弁護人を選任し、裁判で自白の任意性を争ったら、お笑いですね。


それから、マスコミの方へお願いですが、こういう検事を「特捜のエース」と呼ぶのはやめてもらえませんか。吐き気をもよおします。特捜検事の特徴と言えば、自分がこれまでにどんな事件を担当し、誰を自白させたか自慢することです。仮に、自白が取れなかったら、次の捜査のときに呼んでもらえません。



かくいう私も大阪地検の応援に行くよう指示され、「ついに俺も特捜部の応援に呼ばれるようになったか。」と思いましたが、行ってみたら、刑事部の事件の応援でずっこけたことがありました。今考えると、よかったと思っています。




多くの検察官、検察事務官(以下「検察職員」と言います。)は真面目に仕事をしています。被害者・遺族のことだけでなく、被疑者・被告人の更生も考えて、コツコツと仕事をしています。特捜部が検察の花形というのは昔の話で、今は普通にしていれば、特捜部で使ってもらえる機会はあり、どういうやり方かは別として、上司が望む内容の供述調書を取ってくれば、「こいつは使える奴。」という評価がなされます。しかし、いつも申し上げているように、人間として価値があるかどうかが問題であるということを検察は忘れていました。


私は、悪いことをしたら、「ごめんなさい。」と謝るべきであり、検察もその例外ではないと思っています。ただ、冤罪等が起きる度に、検察が謝罪し、次第に信頼(権威)がなくなっていくのを感じていましたが、今回の事件はトドメを刺したような気がします。これから、普通の事件を処理するのも大変になるかもしれません。でも、国民の信頼を回復するため、検察職員は一丸となって頑張って欲しいです。



この問題を検証するために第三者(外部)委員会を作るときには、ぜひ呼んで頂きたいですね。

検察官バッジ(記章)

検察教官に、授業の際は、いつもバッジを付けておいて下さいとお願いしたことがあります。もちろん自分の検察官バッジをもらったときは嬉しかったですね。裏を見ると、「検 察 官」と書かれてあり、バッジ固有の番号がありました。今でも、バッジの番号を憶えています。


受験生のときは、図書館に行って、司法修習生の記章に関する規程、検察官の記章に関する規程をコピーし、部屋の壁に貼って、いつかきっと試験に合格して、このバッジを付けるんだと自分に言い聞かせたものです。


金ピカで、勲章のようなバッジで、いかにも新米と分かるものでしたが、10年、20年経つと、年季がはいって、黒光りしており、こんなバッジを付けている検察官には嘘はつけないと感じました。また、検察庁前の飲み屋で食事をしていたら、顔も知らない年輩の事務官が「バッジを外したらどうや。」と言ってきたことがあり、喧嘩になりそうになったこともあります。



ある事件の捜査を担当したとき、相手の方に「どうしてその会社に入ったの?」、「どうしてバッジを付けていないの?」と質問したことがあります。世間を騒がせていたので、バッジを付けるのは気が引けたのですね。ただ、誰一人として、その会社に入りたくて入りましたと答えた人間がいなかったので、この会社はダメだと思い、調書に録取した記憶があります。




検察庁の職員の方、大変な時期であることは間違いありません。しかし、悪い奴をやっつけたいという気持ちで、検察庁を選んでくれたのでしょう。こういうときだからこそ、堂々とバッジを付けて仕事をして頂きたいものです。 

特捜検事の逮捕について(2)

捕まった検事が、証拠隠滅の被疑事実を否認しているのか、認めているのか明らかではありません。


ただ、検察庁からパソコンが貸与されているはずですから、私物のパソコンを使う必要がありません。また、私は(ファイル)変換ソフト(?)があるということ自体知りませんでした。以前、「法律家は証拠の世界に生きている。」と書いたことがあります。したがって、証拠物をいじるという発想が理解できません。警察の供述調書で足りないことを被疑者から聴き取った場合、付せんに書いてその場所に張り付けておくべきで、供述調書に鉛筆で書き込むのは厳禁でした。



ところで、取り調べることには慣れていても、まさか自分が大阪拘置所に勾留され、被疑者として取調べを受けるとは想像していませんよね。頭をよく冷やして、弁解が通じるかどうか考えた方がいいです。この被疑者が、そういう弁解をしている人間の取調べにあたったら、絶対に許さないはずですからね。



公判前整理手続において、弁護側は、当然、上村被告人と村木さんとの間に共謀がなかったことを立証するため、書面の作成に関する証拠の開示を求めるはずです。しかし、被疑者(前田検事)は、FDの内容を正確に記載した捜査報告書が開示されていることを知らなかった、そして、弁護側がFDそのものの開示を求めてくることは容易に想像できることですから、それを待って、すでに「上村被告人の方に返しています。そちらから見せてもらって下さい。」と言い、弁護側がそのようにしたら、FDの内容が検察が考えているとおりの日付になっているので観念するだろう(これが「時限爆弾」という意味でしょうか。)と思ったのかもしれません。なお、改ざんしたかどうかは、専門の会社に調べてもらえば簡単に分かることでしょうが、弁護人としては、まさか検察官が改ざんまでするとは思わないでしょうから、専門の会社に調べてもらうことまで考えなかったような気がします。



それから、当時の上司からの事情聴取がありました。ニュースを見て、東京に呼びつけられるんだと思いました。いくらなんでも、証拠隠滅することを検察幹部が協議して決めたとは考えにくいです。しかし、後になって、それらしい報告があったのであれば、きっちり調査すべきであり、地検から高検、高検から最高検に報告が上がっていなければならなったと思います。この判断を誤った(部下の報告を鵜呑みにして、調査をしなかった。)ということは、特捜部が官僚をターゲットにしたという事件の性質を考えると、上に立つ人間としての資質を欠いていたと言われても仕方ありません。証拠隠滅の共犯として責任を問われることはないでしょうが、監督責任(あるいは調査報告を怠った責任)は免れることはできないでしょう。責任を痛感して、死人が出ないことを祈るのみです。


「特捜のエース」、「割り屋」でしたか。「割る。」というのは、自白させることを意味します。上司は、部下に「割れ。」と指示しますが、どういう風に割るかを教えてくれません。それは、個々の検察官が、取調べを重ねる中で、自然と自分の方法を確立していくものだからです。因みに、私の場合は、上司にむかついたことがあったので、「頭でも割りましょか。」と言ったら、相手にされなくなりました。「特捜のエース」、「割り屋」とまで評され、道連れになる検察幹部もいるわけですから、当の被疑者も本望でしょう。裁判になれば、弁護人が付いて弁護されることになります。どういう供述をしているのか、また、これからどういう供述をするか分かりませんが、実刑になることも覚悟して、言いたくないことは言わなくていいという黙秘権を行使されたら、どうでしょうか。




それから、今回の件とは関係ありませんが、検察官が、数日の間、無断欠勤し、結局は依願退職したという記事を目にしました。???です。

特捜検事の逮捕について(3)

勾留中の被疑者は自白したようですね。


しかも、最高検によって、当時の特捜部の上司に対する事情聴取が行われました。不思議に思ったのは、ある新聞が載せていたことですが(よく気づいたなと感心しました。)、当時の上司には黙秘権を告げていないということです。しかし、純粋な参考人ではありませんから、黙秘権を告げた上で、事情聴取すべきではないかと思います。


ところで、被疑者は、同僚の検察官に対して、「時限爆弾を仕掛けた。」と話していたことが報道されています。この言葉は、取調べをしたことのある者であれば、犯人でなければ、なかなか言えない言葉であり、迫真性のあるものですから、必ず調書に録取し、その言葉の内容を具体的に説明させることになります。そうすると、当時の上司は、この時限爆弾という不穏当な言葉さえ耳に入っていれば(被疑者から聞いたとされる検察官に確認すれば足りることでしょう。)、「不注意」でFDの内容を書き換えてしまったという発想にはならないはずです。そして、故意にFDの内容を改ざんしたとなれば、証拠隠滅の疑い(過失犯は処罰の対象ではありません。)を抱くべきであり、したがって、公務員としては告発することも検討しなければならなったはずです。また、当時の上司らには犯人隠避の疑いが生じることになります。



当時の特捜部長が曖昧なことを言って、責任をかぶる雰囲気でいますが、究極は上記の点に行き着くわけで、監督責任を取って辞職したとしても、それだけで済まされるか分かりません。また、特捜部長の首を差し出せば許してもらえると考えるのは甘いです。


恐らく被疑者は起訴され、正式な裁判を受けることになると思います。そして、弁護団が結成され、裁判所も裁定合議事件にして、3人の裁判官で審理することになります。さらに、弁護団から、公判前整理手続に付するよう上申がなされるのではないかと想像しています。これによって(本件は被疑者個人の問題なのでしょうが)、被疑者をそこまで追い込んだ検察の悪いところをあぶり出そうとし、元上司らの供述調書などの開示を請求するはずです。場合によっては、処罰の不均衡を主張し、弁護団が、元上司らを告発することもあるでしょう。市民団体が告発することも考えられます。その場合、検察庁が不起訴(村木さんが無罪になっているし、改ざんしたFDは証拠として採用されていないため、証拠隠滅による実害が生じていないとの理由で不起訴にしたら、検察庁の看板にペンキをかけられるかもしれません。)にしても、検察審査会が納得しないでしょう。起訴相当の議決が2回なされても不思議ではないです。時効にかかるまで安心はできません。




何気なく新聞を見ていたら、厚生労働省の課長補佐が収賄で、今度は大阪府警に逮捕された記事が載っていました。時期が時期ですからね。特捜部は開店休業の状態でしょうから、刑事部が担当するのでしょうか。元上司に、「村木さんは無罪です。」と掛け合った検察官がいたとされることも忘れないで頂きたいです。

「前特捜部長ら週内逮捕」という記事

今朝の新聞を見ると、「前特捜部長ら週内逮捕」という記事が載っていました。


「ら」という日本語は、複数を意味する語であり、他に逮捕される予定なのは、前特捜部副部長を意味しています。どういう気持ちで最高検察庁において話を聴かれているでしょうか。事情聴取(この段階では「取調べ」という言葉が正しいかもしれません。)の回数も相当なものになっていますし、こういう記事が出ているということは、本人の目に触れるわけなので、自殺防止の観点からも、逮捕は急いだ方がいいと思っています。



ところで、「逮捕」されれば、即「起訴」を意味しているわけですが、どこで、裁判をするのかなと考えています。


前田被疑者は、大阪地裁に起訴されると思いますが、大阪で裁判をやるとなれば、肩書きが大阪地検の検察官(事務取扱の発令を受けて、他庁から派遣されてくることは予想されます。)が公判を担当することになるでしょうが、これは避けた方がいい。そうすると、前特捜部長らは、東京にいるので、被疑者現在地で、東京に管轄を作って、東京地裁で審理することにし、犯人隠避の元となる証拠隠滅事件ということで、前田被疑者の事件を東京に移すことになるのか。



現段階で法的な根拠をきちんと示すことができないのが情けないです

テレビ解説者について

大阪地検の主任検事による証拠改ざん事件をめぐっては、どこの放送局でも取り上げ、元検察官の解説者が出てきて、大概は私でも言えるようなコメントを述べています。


不思議に思うことは、一様に元特捜部の部長などという肩書きで出演されていることであり、中には、東京地検の特捜部長をされた後、検事正、検事長をされた方までいらっしゃるのに、その肩書きが紹介されていないのです。特捜部のことをよく知っているという意味であれば、司会者は、もっとえげつない質問をぶつけないといけません。


そう言えば、最近、若狭さんという方をよく見ますね。東京地検特捜部副部長、同公安部長をされてから、今は弁護士のようです。私は、端的に、若狭さんに聞いてみたいことがあります。「どうして検察官をお辞めになったのですか。」と。

検察に想う

証拠改ざん事件をめぐって、犯人隠避の疑いで、大阪地検特捜部の前部長と同副部長が逮捕されました。ショックです。


2人とも、東京、大阪両地検の特捜部に勤務したことがあり、上が期待する調書を取ってくる実績が評価され、要職に就いていたのでしょう。それなのに、逮捕されて拘置所で生活しなければならない、この落差は何なのだろうかと思います。順調に昇進していけば、検事正になってましたね。



「犯人隠避」(刑法103条)は、その刑が2年以下の懲役又は20万円以下の罰金と定められており、被疑者国選弁護事件の対象でもない、比較的軽微な犯罪と位置づけられていますが、今回の事件の内容は検察の根幹を揺るがすものです。被疑者両名は否認しているようですが、現段階で否認を突き崩すだけの証拠があるからこそ逮捕したのであって、逮捕して起訴しないということは考えられませんから、必ず起訴されます。この捜査は最高検察庁が担当していますが、特捜部が行う場合以上の緻密な捜査を行い、末端の検察官の供述調書の細かな点も検討しているはずです。前田被疑者も自白に転じたようですが、自暴自棄になっているおそれもあるので、その供述よりも、末端の検察官の供述に信用性があるかどうかが争点になるでしょう。


起訴されたら、上記のような軽い犯罪であるにもかかわらず、3人の裁判官で審理する(裁定)合議事件となり、公判前整理手続に付され、徹底的に争われることになると思います。最高検察庁とすれば、意地でも有罪を取らなければいけませんし、被疑者とすれば、名誉がかかっていますから、有罪無罪どちらの結論になろうとも、最高裁判所まで争われる事件になります。その間、末端の検察官が証人として出廷し、検察関係者同士が骨肉の争いをしなければならず、醜いことになるのは明らかです。ただ、起訴されても、無罪推定の原則が働くことを忘れないで下さい。




ほとんどの検察職員は真面目に仕事をしています。しかし、今回の事件は参っています。もう一度「法と証拠の世界に生きる。」という基本に立ち返って頂きたいものです。

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Author:オグちゃん
平成25年5月、アメーバ・ブログから引っ越してきました。役に立つことも、役に立たないこともマイペースで書いています。日記のような感じでしょうか。

しかし、ブログから新しい出会いが生まれ、有難いものであるということも知りました。

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