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半ドン?

「半ドン」って御存知でしょうか。


半ドンタクの略で、午後が休みの日を意味(博多どんたくという祭がありますが、意味の起源は同じようです。)し、昔は、土曜日がそうなっていました。


私が実務家になった当時は、第1、第3土曜日は半ドンでしたから、扱っている事件の決裁を受けることができました。しかし、半ドンが廃止され、土曜日、日曜日は決裁官が出勤されなくなりましたから、土曜日、日曜日に勾留の満了日がくる事件は、その前の金曜日に決裁をうけなければならず、バタバタするようになりました。正直なところ、取調べをしない日を決め、その日は勾留した日に算入しないで欲しいなと思ったものです。


とは言え、土曜日、日曜日に起訴するような事件を担当したことはなく(それは、金曜日以降も捜査をする必要があることを意味しています。)、当初、勾留請求する際に、20日満了がいつになるかを確認し、日曜日になるような場合には、勾留請求を1日延ばしていました。身柄を拘束されている被疑者も辛いのですが、検察官も辛いということですね。

勾留請求却下

幸いにして、勾留請求却下の決定を頂いたことはありません。しかし、勾留延長請求の一部を削られた(却下された)ことはあります。


大阪地検の元幹部らによる犯人隠避事件ですが、勾留延長請求が認容されたことについて、弁護人が準抗告(不服申立)をしたものの、裁判所はこれを棄却したと報道されています。当初、検察官が接見等禁止決定を請求し、裁判所がこれ認めなかったため、検察官が準抗告をしましたが、結局これが棄却されて、元幹部らが留置されている大阪拘置所にマスコミが接見するために列を作っていることが報道されていました。今回の事件では、いろいろとバトルをやっているわけですね。




検察庁は、何か問題が起きると、ガラッと対処の方針が変わることがあります(上が変わっても、ありうることです。)。勾留請求が却下されるかどうか、その微妙なところが分からない人がいて、漫然と問題意識を持たずにやってしまうと、痛い目に遭います。なお、逮捕手続に問題があれば、勾留請求が却下されるのは当然ですから、見落とした方の落ち度は大きいと思います。


突然、勾留請求するについて、部長の決裁が必要であるという運用に変わったことがあります。こちらは、他の事件の捜査をしているのに、新しい身柄事件を配点されたため、捜査を一旦中断して、被疑者から弁解を録取し、部長のところに行くと、普通に事件の決裁を受ける検察官数人が並んでいるのです。少しは待ちますが、後ろから見ていると、到底終わる気配が感じられないときがありました。悪いこととは思いつつ、「すみません。勾留の決裁だけなので、先にさせて下さい。」と言って、部長の前に出ると、何も聞かずに、書類にポンと印鑑を押して下さいました。そのときは、それで帰りました。


しかし、そんなやり方ならば、決裁の意味がありませんから、時間が空いているときに、部長に「忙しいときに、印をもらうだけの下らないやり方はやめましょう。」と提言したことがあります。これに対し、部長は「君には、勾留請求しないような事件は配点しないから、来なくていい。」と言われました。そのことを事務方に伝え、私の場合は勾留請求に関する決裁は不要になりました。しかし、勾留後の捜査の進展具合については、逐一部長の耳に入れていました。それだけ私を信用して「来なくていい。」と言って下さった部長(もしかすると、私の顔を見るのが嫌だったのかもしれません。)の面子を潰すわけにはいきませんからね。部長と手を取り合って喜んだこともありました。


この時期が一番乗っていた感じがします。

戒名

ここでいう「戒名」とは、どういう罪で調べを受けているかを示すもので、供述調書に記載されています。また、逮捕状、勾留状のような令状にも記載されています。



例えば、殺人未遂で逮捕・勾留された被疑者の場合、そのまま起訴されたら裁判員裁判になりますから、その弁護を引き受けるに際しては、それなりの覚悟が必要になります。もっとも、捜査をしてみたら、殺意(殺す意思ですかね。)が認められなかったとして、傷害で起訴されることもありますので、一概には言えないところがあります。


逆に、傷害で逮捕・勾留されているのに、捜査をして殺人未遂で起訴するということはほとんどないと言えるでしょう。つまり、傷害で捜査をされていると思っている被疑者に対して、不意打ちになる可能性がありますから、これは避けるのです。



ところが、一度だけ恐喝と傷害で逮捕されて送検された被疑者について、弁解を録取した段階で強盗致傷の疑いを持ち、勾留請求から強盗致傷に切り替えて捜査を行うことにし(警察にもその旨指示しました。)、最終的に強盗致傷で起訴したことがありますが、予想していた範囲内とはいえ、公判が紛糾しました。


当時は、強盗致傷の法定刑が懲役7年以上(現在は懲役6年以上)となっており、可哀想にと思って減軽しても執行猶予を付することができない時代でしたから、被告人にとっては大きな問題だったわけです。それだけに取調べも時間をかけ、被疑者には何度も念を押して言うがままに調書を作成しましたが、強盗致傷としか認定できなかったので、自信をもって起訴しました。弁護人は、被告人が刑務所に行かなくてすむよう、いろんなことを主張し、その中に取調べのことも含まれていたと耳にし、人は自分が一番可愛いのだなと思ったものです。最初から強盗致傷で逮捕していたら、戒名が戒名ですから、被疑者もずっと成仏できたのかもしれません。



ところで、被疑者を釈放することを「鳩にする。」と言っています。鳩というのは、飼われていることが少なく、自由にしているからでしょう。私は、釈放して再逮捕する被疑者に「鳩にする。でも、伝書鳩だ。」と言ったことがありました。数日後、その被疑者は、勾留請求のために私の前に連れてこられ、その言葉の意味が理解できたようでした。

保釈取消

保釈に関するブログが続きますが、お許し願います。


保釈を許可する決定がなされると、保釈保証金(以下「保釈金」と言います。)を裁判所に納付します。その後に保釈されます。一応、自由の身になるわけですが、保釈をするにあたって決められた事項を遵守しないと、保釈が取り消され、納付した保釈金を没取されます。例えば、被告人自らが、事件の関係者に連絡を取ると、遵守事項違反になります。



今日の新聞に保釈が取消になった被告人のことが載っていました。現在のところ、被告人は逃亡しているそうです。弁護人は、保釈取消の決定に対し、準抗告(不服申立てですね。)をしましたが、棄却されたとなっていました。私選弁護の場合、「通常」、保釈金は裁判所から弁護人が指定する口座に振り込まれ、報酬を控除した残額を依頼者に返還することになっていますので、私選弁護人とすれば、保釈金を没取されたとなると大事な担保がなくなるようなものです。だから、準抗告までしたのかなと思っています。これに対し、国選弁護の場合には、それほどシビアに考える必要はありません。


今回の保釈保証金は300万円となっていました。国庫に300万円を取られることになっても、被告人がやらなければならなかったことは何だったのでしょうか。


そう言えば、先日のことになりますが、昭和55年にある事件で起訴され、その後保釈中に逃亡していた被告人が身柄を拘束され、やっと裁判が始まっていました。そんなに長い間、よく逃げていたなと感心しました。


今回の被告人は、いつまで逃げることができるでしょうか。

逃亡被告人に執行猶予の判決

恐喝罪で起訴された後、第1回公判前に保釈され、約30年間逃亡生活を送っていた被告人に対して、執行猶予付きの判決が言い渡されました。


約30年間逃亡生活をし、その間、犯罪を犯していないことは有利な情状と言えるでしょう。


問題は、普通に裁判が行われていたら、どういう判決がなされたかということです。


ここで「累犯」という言葉が出てきます。分かりやすく言いますと、刑務所を出所して(正確には、刑の執行終了。以下、同じです。)から5年以内に、また犯罪を犯して懲役に処すべき場合には、刑を重くするというものです。これは刑務所での矯正教育の甲斐がなかったので、前よりも重く処罰するという発想に基づきます。


累犯になるには、刑務所を出所してから5年以内に「犯罪を実行」していれば足り、刑務所を出所して5年以内に判決がなされる必要はありません。注意すべきは、刑務所を出所して5年を経過すれば、執行猶予を付することもできますので、「累犯」だからといっても、執行猶予になることはあり、今回のケースがそれにあたるのです。


そうすると、通常であれば、当然実刑になるべきところ、保釈中に逃亡した結果、執行猶予を付することができることになったからといって、執行猶予にしていいのかという問題が生じます。検察官は、逃げ得を許してはいけないという意味で、実刑を求めていたように記憶しています。普通に考えたら、控訴すべきかどうか検討に入らないといけませんね。

保釈保証金の立替事業について

何でも商売になる時代ですが、保釈保証金(以下「保釈金」という。)の立替事業については、通常、立て替えた金員は、きちんと返還されますので、サラ金よりは堅い商売だと思います。申込みを希望する被告人(警察の留置施設や拘置所で情報が入ってくるのでしょう。)が増えていることは事実です。


ただ、手数料が高いです。利息制限法では100万円超える貸付の場合、年15パーセントの利息しか取ることができません。業者は、あくまで保釈金の立替に対する手数料というかもしれませんが、そのような詭弁は通用しません。しかも、2ヶ月単位で上記の利率に相当する手数料を取る上に、勝手に、裁判所が決めた保釈保証金の9割を立て替えますので、残る1割は自分で用意して下さいと言われることがあります(覚せい剤に関する事犯では、そのような取り決めになっています。)。そうすると、例えば、150万円に対する年15パーセントの利息に相当する金員の2ヶ月分、つまり、6分の1を立替手数料として徴収しながら(なお、契約は2ヶ月毎の更新です。)、実際には135万円しか立て替えないという事態が生じます。さらに、契約に伴う手数料も徴収されます。


それだけではありません。


判決が早く終わって、保釈金が返還されたため、弁護人が業者に立替金を2ヶ月以内に返還しても、余分に支払ったことになる金員は、「特別の事情」がない限り、返還されません。サラ金と比べてみて下さい。2ヶ月の予定で金を借りたが、早く返済が終わった場合に、サラ金は2ヶ月分の利息を請求するでしょうか。


この制度は、弁護人が関与し、申込人が立替金を手にすることはありません。判決があれば、裁判所から弁護人に保釈金が返還され、弁護人が業者に振込手数料を控除した残額を返金することになっています。先日は、この金を着服横領したとして、和歌山の弁護士が逮捕されていたわけです。



以上のような問題がある制度ですから、弁護人としては利用を勧めることはしませんが、関係者が「どうしても。」と言えば、制度の内容を説明し、2ヶ月に1度立替手数料を払う必要があることを念押ししています。この時期に起訴された被告人の場合、年末年始は家で過ごしたいという人間が多い反面、当然のことですが、年末年始は裁判が開かれませんから、期日が相当先に指定されることが通常です。審理が終結して判決までの日数、さらに、裁判所から弁護人に保釈金が返還される日数を考えておく必要があります。


それから、事件が起訴されたら保釈請求ができますが、起訴当日に、この立替制度を利用して保釈になるには時間的に無理があります。検察官がいつ起訴するか分かりませんし、検察官が保釈に関する意見(求意見)をいつ裁判所に返すかも分かりません。そうすると、保釈許可決定自体がいつになるか分かりません。反面、業者には、午後1時ころを目処に手数料を振り込む必要があり、午後3時近くになると、今度は当日中に業者からの着金があるか微妙になってしまいます。




最後に、私は、保釈請求書にこの立替制度を利用することを銘記するようにしています。裁判所への出頭確保のための保釈金ですから、万が一、立替制度を利用する場合、軽く考える輩がいないとはいえません。そのため、裁判所が保釈金を決定する一材料として頂く意味で立替制度を利用することが銘記しているのです。




勾留理由開示について

一般的には捜査段階で行うものですから、被疑者のための「勾留理由開示」手続であると思われます。



しかし、裁判官は、勾留する理由があると判断し、勾留状を発付しているわけですから、この手続で、勾留する理由がないと言うはずがなく、しかも、その理由の説明が極めて抽象的であるだけでなく、証拠の内容を説明する手続でもないのです。



では、どうして、弁護人が勾留理由開示請求をするかと言えば、どういう取調べが行われているか、裁判官にアピールし、今後なされるであろう、検察官の勾留期間延長請求の際には、よく考えて下さいよと釘を刺すところに意味があると思います。



もちろん、この手続がなされたら、書記官が調書を作成しますが、後に自白の任意性が問題となった場合には、この調書が生きるかもしれません。それゆえ、頼りない書記官が来ているとがっかりします。



なお、勾留理由開示に検察官が出席することは義務付けられていませんが、気になって出席してくれた場合には、被疑者に、「あの人が取調べを担当している検察官か。」と確認することができますので、被疑者が言っていることもありだなと思えるものです。






裁判官も人間です

裁判官も人間ですから、仕事が終わったら飲みに行くことがあるでしょうし、家族との夕食を楽しみにしていることもあるでしょう。ところが、日常の仕事だけをこなせば足りるのではなく、急に余計な仕事が舞い込んでくることもあります。



例えば、保釈の請求をしたのに、これが許可されなかったら、弁護人は、不服申立をします。逆に、保釈が許可されていたら、検察官が不服申立をするかもしれません。いずれにしても不服申立があれば、裁判所は裁判官3人の合議体で判断します。その頭数を揃えるのが大変なときがあるようです。ときには、民事部の裁判官が合議体を構成していることがあります。



不服申立をした人間の性格、時間帯にもよるでしょうが、その日のうちに裁判所は判断するかどうかを決めます(普通は、その日のうちに判断してくれます。)。ぼやきやがら、集まるのでしょう。



ただ、先程の保釈の場合には、最終的に保釈が許可されたときに、裁判所に保釈保証金を納付できる状態であったにもかかわらず、裁判所の担当(会計)がいなかったため、保釈保証金が納付することができず、その結果、保釈される日が先になると、これは不当な身柄拘束と言われかねませんので、書記官も待機しておく必要があります。なお、検察官は、保釈保証金が裁判所に納付されたことを確認して、警察に身柄を釈放するよう指揮しないといけませんので、検察官も裁判所の判断を待っています。



この不服申立の結果がどちらに転んでも、さらに不服申立をすることは通常ありませんから、のんびり電話を待っていると、偉い書記官から電話があり、「結果が出ました。」と言った後、少し間をおいて(この間がいやらしいのです。)、「申立は棄却です。」と言われます。最近は、このパターンが多くなりました。



そして、トボトボと家に帰っていく私がいるのです。



裁判官、書記官らに余計な負担をかけないよう、無謀な申立は極力控えているのが実情です。

警察官から怒鳴りまくられた被害者について(続)

地震の影響で、社会の耳目を集める事件も新聞の片隅に載っているにすぎない状況です。


大阪府警の警察官から怒鳴りまくられた被害者ですが、窃盗で起訴されています。しかも、強要未遂で再逮捕され、一旦は勾留しました。ところが、弁護人から、勾留の取り消しと、検察官の勾留請求の却下を求める準抗告(不服申立)がなされ、大阪地方裁判所はこれを認容しました。したがって、強要未遂については釈放され、自由の身になったのですが、依然として、起訴された窃盗で(被告人)勾留が続き、身柄を拘束されていることになります。


あの裁判長ならば、そういう判断もされるでしょう。


ただ、警察官である被告人(便宜上、「甲」としましょう。)が身柄拘束されていないこととの均衡も考えていたようですから、裁判官の中には、捜査段階で、甲を逮捕すべきであった、それくらい悪質だと思っている人がいるということかもしれません。


弁護人は、準抗告が認容されたのを受け、窃盗で起訴されている被告人(怒鳴りまくられた被害者)について保釈請求しました。


このように1人の人間が、被疑者であり、また、被告人であるため、身柄の処理が複雑になるのですね。

「最近、痩せたのではありませんか。」

そんなに久しぶりに会ったわけではないのに、よく「最近、痩せたのではありませんか。」と言われます。意識して、食事の量を減らしていませんし、特に運動もしていません。


20代のころは、夕食にホカ弁を2つ食べても60キロ台をキープしていましたが、法曹になって不規則な生活をするようになると、短期間で80キロを超え、ブログにも書いていますが、痛風とお友達になったのでした。


しかし、親しい人から、上記の疑問を投げかけられるので、自分としても意識しないわけにはいかず、ついつい悪い方向に考えてしまっています。


ところで、今日は早朝から簡単な書面を起案しました。


はっきり言えば、私が油断していたのです。油断は言い過ぎかもしれませんが、心のどこかに隙があったことは明らかです。いつもであれば、裁判官が勾留延長請求を認めた後の勾留状謄本の交付申請をするのです。これは刑事弁護のいろはですね。しかし、今回はそれを怠っていました。怠った理由が説明できません。週明けには、相棒に少々お手数をおかけすることになるので、書面だけは私の手で起案しておきました。


最近は、考え込むことがよくあるので痩せたのかもしれません。

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Author:オグちゃん
平成25年5月、アメーバ・ブログから引っ越してきました。役に立つことも、役に立たないこともマイペースで書いています。日記のような感じでしょうか。

しかし、ブログから新しい出会いが生まれ、有難いものであるということも知りました。

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